トランポリン・バッジテストクイズ(解説)

5級レベル(○×でお答えください)

 

Q1.バッジテストは5級から四段まである。

× バッジテストは5級~1級までである。1級の上にはシャトルゲームがある。なお、wikipediaの「日本トランポリン協会」の説明では5級~4段までが記載されているが、初段から4段は大阪府トランポリン協会がスーパーバッジテストとして行っているもので、ローカルルールである。

 

Q2.バッジテストは合格するとその場でバッジがもらえるのでバッジテストという。

× バッジがもらえるのは正しいが、合格後しばらくしてから開催団体経由でクラブを通じて渡されることになっている。その場ではもらえない。

 

Q3.バッジテストはとりあえず種目を間違えずに続けられれば合格できる

○ その通りである。中断したり種目間違いをしたり余分な種目を行わなければ合格である。

 

Q4.バッジテストは最後に立って停止しなければならない。

○ その通りである。停止することが演技終了しましたとい合図であり、10種目が終えたというサインになっている。

 

Q5.バッジテストは1回のテスト会で3回までやり直しができる。

× やり直しができるのは1回限りである。

 

4級レベル(○×でお答えください)

 

Q1.バッジテストは3点以上で合格である。

○ 点数は1~5点が表示されるが、合格は3点以上となっている。

 

Q2.バッジテスト種目ができれば誰でもテストを受験することができる。

× バッジテストは所属団体を通じて申し込むことになっている。つまり普及指導員のいる団体に所属していなければ申し込むことはできない。これは普及指導員により安全に段階練習が行われかつ普及指導員が合格できると判断した生徒だけを受験させるためである。 

 

Q3.バッジテストは4級から受け始めることもできる。

× バッジテストは5級から一つずつ受けなければならない。バッジテストはトランポリン技術習得を目的としていない、つまりトランポリンの難しい種目をできるようにすることを目的にしているのではなく、身体を空中でコントロールできる能力を身につけさせるトレーニングであるシャトルゲームが実施できるようにするためのものである。つまりシャトルゲームに必要な35種目すべてをできるようにするためのものである。だから5級から1級に含まれるすべての種目ができることを確認する必要があり、そのためにはすべての級に合格しなければならないので、全ての級を受ける必要がある。

 

Q4.トランポリン選手になるためには5~1級をすべて高得点で合格することが望ましい。

× バッジテストの4点以上の得点はトランポリン競技とは無関係である。きちんとした得点基準は定められておらず判定員の主観で決められている。またトランポリン選手になるためには、4級以上のバッジテストを受けず「競技検定」を受けることになっている。つまり、バッジテストを受けていては選手になることは遠回りである。

 バッジテストはトランポリン選手にならないものが他のスポーツをする際に必要となる空中感覚育成のための手段であるからである。 

 

 

Q5.膝落ちの姿勢で手を突いたのが、よつんばい落ちである。

× 膝落ちは上半身は垂直、よつんばい落ちは水平にするのが原則であり、上半身が垂直の姿勢で手を突いたのは、よつんばいとは認められず膝落ちの失 敗として判定されることになっている。実際には手を突く位置が膝より後ろの場合は膝落ちの失敗型、膝より手が前ならよつんばい落ちとみなすことになってい る。

 

3級レベル(○×でお答えください)

 

Q1.バッジテストは1度に何個受けてもよい。

× 複数受験はできるが3階級までに制限されている。

 

Q2.バッジテストはすべての級が10種目だけ行われる。

× 3級以上には10種目で構成される連続種目のほか、ボールテストも行われている。

 

Q3.バッジテストの受験料は級によって違う。

○ 3級以上はボールテストがあるので、1000円高くなっている。

 

Q4.バッジのデザインは級によって変わっている。

○ その通りである。5級「腰落ち」、4級「よつんばい落ち」、3級「閉脚跳び」、2級「ローラー」、1級「反動閉脚跳び」と各級ではじめて習う種目がデザインされている。

 

Q5.片足で着地すると不合格である。

○ 片足着地は捻挫の危険性が高いので、危険な着地として避けさせるように指導しなければならない。だから片足着地をすると不完全な演技として不合格になる。

 

2級レベル(○×でお答えください)

 

Q1.2級を受験する段階では、シャトルゲームのルールを学習しておかねばならない。

○ 3級をクラブ内合格し、2級を練習し始めたころから、簡易シャトルゲームとして3級までにある種目だけを用いたシャトルゲームを行いルールを理解させておくことになっている。ただし、シャトルゲームは同じレベルの生徒が複数必要でありまた時間もかかることから、指導マニュアルに反して実際はあまり行われていない。

 

Q2.バッジテストは全員合格させることになっている。

○ バッジテストは全員合格させることになっている。ただし、それはバッジテスト会においてではなく、受験申し込みの段階でのことである。受験申し 込みの際に間違いなく合格できると指導者が判断したものだけを受験させることにより全員合格とすることになっている。だから不合格者が出た場合その指導員 の判断ミスである。ただし、テスト制度であるため挑戦的に不完全な状態で受験を試みたがるものがいるが、そのような挑戦的な受験は控えさせることになっている。

 

Q3.バッジテストには誰でもできるような種目しかない。

○ トランポリンの段階練習表(普及版)は運動経験のない社会人が宙返りをできるように作られている。このうち危険性の少なく、連続運動に取り入れられる比較的易しい種目だけ で構成されているのが、バッジテストである。個人の能力によって習得時間は変わるが継続的に努力・練習すれば、だれでも実施可能な種目しか含まれていな い。

 

Q4.ボールテストに不合格した場合、次回はボールテストから受験することができる。

○ その通りである。なお、10種目の実技に不合格した場合は、ボールテストを受けることはできないので、次回はボールテストはなしで10種目だけということはできない。

 

Q5.バッジテストは易しい種目から難しい種目を練習するようなっているので、1級が一番難しい。

× 優しい種目から難しい種目に並べてはいるが、それだけを基準に並べているわけではない。例えば、2級のローラーは「腰を伸ばして、捻って腰を曲げて腰落ちをする」という種目である。これに対して1級の1回捻り腰落ちは「腰が伸びた状態から捻って、腰を曲げて腰落ちをする」種目である。ローラーの方が「腰を伸ばす」という動作が必要なため複雑な運動であり、難しいと感じるものは多い。腰落ちの状態から1回捻りを行う方が、立った状態から1回捻りを行うより、低いところで行えるので安全性が高いからローラーの方が1回捻り腰落ちより先に練習することになっている。種目の難しさより安全性を重視しているので、このような順番になっているのであって、単純にやさしい技から難しい技を並べているわけではなく、安全性も考慮してつくられている。

 

1級レベル(○×でお答えください)

 

Q1.1級の5番目(ハーフフロント)と6番目(通称ターンテーブル)の種目名は、ともに1/2捻り腹落ちである。

× ハーフフロントは、「1/2捻り腹落ち」が正式名称であるが、ターンテーブルの日本語名称は、「1/2横まわり腹落ち」となっている。なお3級には腰落ちからの1/2 捻り腹落ちがある。またスイブルの日本語名称は腰落ちからの1/2捻り腰落ちであるが、似たような種目でバッジテストには含まれていないが1/2横回り腰 落ちというものがある。脚部が水平旋回するか垂直になって捻られているかで区別するので、脚が上半身の下を通過せずに横を回っていくと種目違いとなり不合 格となるので、指導に当たっては注意が必要である。

 

Q2.バッジテスト1級合格するとエアリアルトレーニングは一旦終了である。

× バッジテストはシャトルゲームを行うための準備練習である。バッジテスト5級~1級すべて合格したら、シャトルゲームを行うことになっている。バッジテスト会と一緒に行われるシャトルゲーム会に2~3回参加するとエアリアルトレーニングは終了である。

 

 

Q3.バッジテストは子どもの運動能力向上(スポーツの素養づくり)にとても役立つ。

× バッジテストのような特定な動きを繰り返す運動は、子どもの運動能力向上に役立たないといわれている。トランポリンを用いた運動をすることで空 中での運動経験をするというメリットはあるものの、パターン化した運動を繰り返して練習するバッジテストでは大きな効果は期待できないといわれている。ト ランポリンではバッジテストを通じて身につけた35種目を用いて行うシャトルゲームを行うことにより複雑な組み合わせ運動を空中で行うことになっている。 つまりシャトルゲームを行って初めて効果的な運動能力が行われるのである。バッジテストは安全にシャトルゲームを行えるようにするための準備運動のようなものである。

 

Q4.バッジテスト1級合格は履歴書の資格欄に書くことができる。

× 一般に履歴書の資格欄には必要な資格だけを書くことが望ましいとされている。単なる事務職の採用の履歴書に例えば、「医師免許」「教員免許」などを書くの はむしろ良くない記載といわれている。同様に、スポーツ関係に就職するとかスポーツ特待生を目指すなどスポーツ関係に対する履歴書以外では、資格欄に書く ようなものではない。但し、特技や趣味の欄に書くことは問題ないと思われる。

 

Q5.バッジテストは資格試験である。

 

○ トランポリンはマイナースポーツであるため、予選が行われることはまずなく、最も格式のある全日本選手権でさえ予選は行われていなかった(平成 25年まで)。代わりに検定制度を整備して予選の代わりとしていた。同様に日本体操協会の公認シャトルゲーム会に参加するには、日本体操高教会の公認バッ ジテスト5級~1級に合格していることを要件としている。つまりバッジテストはシャトルゲーム会に参加するための資格試験となっている。

 

ボールトレーニング編((○×でお答えください)

 

Q1.2級のボールテストでは、ボールの投げ手がタイミングを教えてもよい。

○ 2級のボールテストは移動してボールを操作するトレーニングであり、移動のタイミングに合わせボールを投げる必要がある関係上投げてタイミングを教えてよいことになっている。

 なお、1級のボールについては禁止という規定はないが、ボールに合わせてジャンプする能力を育成することも目的になっていることから、指導者がタ イミングを教えるのは好ましい方法ではないといえる。指導者に教えてもらっていては、ボールを見ていつ跳び上がるかを判断する能力が育成されないからである。

 

Q2.ボールキャッチにおいて、投げ手は誰でもよく、投げる位置もどこからでもよい。

○ そうなっている、フレームの上から投げることも許されている。ただし、2級については将来的、正面からではなく、横から投げるように変更する予定であることが日本トランポリン協会(当時)から公表されているので、2級については横から投げる方が望ましいと考えられる。

 

Q3.ボールテストに用いるボールは日本体操協会公認ボールである。

× 推奨ボールというのはあったが、使用するボールに規定はなく、各自自分の好きなボールを用意すればよいことになっている。なお、「トランポリン広場 J-cube」ではいろいろなボールを試してみた結果を公表しているので参考にしてほしい。

 

Q4.1級のボールキャッチでは予備跳躍から跳び上がって頭上でキャッチしなければならない。

× 1級のボールキャッチでは、「ゆさぶりジャンプ」から跳び上がって頭上でキャッチすることになっている。「ゆさぶりジャンプ」とは「ジャンプ」 という名称がついているが、トランポリンが足が離れない程度にゆすった状態と定義されていることから、足がベッドに着いていない跳躍(予備跳躍)から跳び 上がるのは間違いである。

 なお、1級のボールキャッチはバスケットボールにおけるリバウンドボールの処理を想定している。予備跳躍をする状態とは、ジャンプを続けながら ボールが落ちてくるのを待つことになり、不自然な運動となる。足踏みをしてジャンプを待つか、ジャンプに備えて停止しているのが普通であろう。「ゆさぶり ジャンプ」はそれをトランポリン上の動きに置き換えたものである。

 

Q5.1級のボールスローは片手で投げてもよい。

○ 1級のボールスローは全身を使ってロングスローをすることになっている。必ずしも両手でなくてもよいし、多くの球技では片手で投げるのが普通なので、片手で投げることは問題ない。

 

シャトルレベル(○×でお答えください)

 

Q1.公式のシャトルゲームは誰でも参加できる。

× シャトルゲームに参加するには、バッジテスト5級~1級に合格していることが必要である。また普及指導員のいる団体に所属していなければならない。

 

Q2.シャトルゲームに参加するとシャトルゲーム会卒業証明が授与される。

× シャトルゲームに3回参加した時に卒業証明が授与される。1,2回目は参加記録証が授与される。

 

Q3.シャトルゲームは何回でも参加できる。

× 民間トランポリン教室の生徒に対しては制限はないが、公共体育館で活動する団体においては、市民が公平にトランポリンを利用できるように適切に 生徒の入れ替えを行えるように、バッジテスト5級~1級合格後シャトルゲームに3回参加したらクラブを卒業することになっている。シャトルゲームの申し込 みはクラブを通じて行うため、普及指導員がいる団体に所属していなければならないので、公共体育館の団体の生徒は4回以上参加することはできない。なお、「トランポリン広場 J-cube」のような民間施設のような場合は、税金は使われていないので、そのような制限はない。

 

Q4.シャトルゲームは社会人のレクレーションスポーツとして行われるシャトル競技を子供向けに簡略化したものである。

× ルーツは同じで、ルールも類似しているが、シャトル競技がレクレーションスポーツとして作られているのに対して、シャトルゲームは子どもの素養 づくりのためのトレーニング手段として作られている。同じ材料を使っても調理法が異なれば全く別な料理になるように、作られた目的が全く異なっており、ス ポーツのルールを簡略化してトレーニングに用いたものではない。

 

Q5.シャトルゲームで使用できる種目は、シャトル競技でも使える。

× シャトル競技では反動閉脚とびはない。シャトルゲームでは反動閉脚(のけぞった姿勢)とびと閉脚とび(伸身姿勢)は姿勢により区別を行い別種目 として扱うが、シャトル競技においては姿勢による区別はつけないことになっているので、反動閉脚とびをシャトル競技で行うと閉脚とびとして扱われることに なる。

 

Q6.シャトルゲームの審判は普及指導員でなくてもできる。

○ シャトルゲームの審判はセルフジャッジすなわち選手人である子どもが行うことになっている。

 

Q7.シャトルゲームは3分以内で決着がつかないと、引き分けとなる。

× シャトルゲームでは時間制限は設けられておらず、最後の一人になるまでゲームを続ける。そうすることによって順位をつけて順位を得点化している。

 

Q8.シャトルゲームでは対戦相手に自分のできない種目をされた場合、安全確保のためギブアップすることができる。

× シャトルゲームに参加するには、バッジテスト5級~1級に合格していることが条件であるので、シャトルゲームで使用可能な種目でできない種目というのはない。

 

Q9.シャトルゲームで優勝するとメダルがもらえる。

× シャトルゲームはトレーニング手段であり、優劣は重要視していない。そのため参加賞または卒業証が与えられるだけで、順位を記録するためのメダルはない。なお、バッジテストではもらえるバッジやメダルがないので子どもの参加意欲をそそらないようである。

 

Q10.シャトルゲームはじゃんけんで順番を決めてはじめるので、じゃんけんが強いと有利である。

○ シャトルゲームでは1回戦はじゃんけんで順番を決めてはじめる。順番が先なほど実施しなければならない種目数が少ないので非常に有利である。