スポーツ界への応用

 スキャモンの発育・発達曲線は古くから知られた人の身体の成長に関するデータで最も広く利用されていますが、この他にもいろいろな研究成果が挙げられています。これら人間の成長に関するデータを元に、身体の発育に応じて、運動機能を発達させるのが、優れたアスリートを形成すると考えられています。中でもゴールデンエイジといわれる10歳頃から第2次成長期のころは、最も運動能力が上達する時期として考えられており、この時期に個々のスポーツの特性に合わせた練習を取り入れるのが、よいとされています。

 このゴールデンエイジよりも前の年代をプレゴールデンエイジと呼び、この年代は神経系が最も発達する時期と考えられています。この時期は神経系発達を向上させるために、さまざまな運動を経験させることが大事と言われています。

 このように身体の発育に合わせて、運動機能の開発法・練習法を換えることがスポーツ界で取り入れられています。

 次回からは、こどもの発育段階に合わせた運動指導について、主に10歳以下の子供に対するものを、いくつかの資料を取り上げて紹介していきます。