トランポリンではトランポリンの弾性を用いて跳躍します。トランポリンを跳び始めると徐々に高くなりますが、回数を増やせばどこまでも高く飛べるわけではありません。今回はこの理由を考えてみます。
トランポリンをたわませるのは、ジャンプして落下した時の落下による力と選手自身が加える力です。
選手自身が加える力をf、落下による力をGとします。ここで、各跳躍の際に選手が加える力は一定と仮定します。
まずトランポリンに載ってトランポリンが静止した状態からスタートすると、最初にトランポリンをたわませる力はfだけです。つまり最初の弾性力T1=fです。2回目の跳躍はT1によって跳ね上がったジャンプの落下分が加わりますので、T2=G1+fとなります。
跳躍の際にロスがなければ、G1=T1ですので、T2=2fとなります。これをたとえば10回繰り返していくと、T10=10fとなります。T1とT2の比は2倍となりますが、T9とT10の比は10/9です。つまり1.1倍です。何回も跳躍していると落下の力が大きくなり、相対的に新たに選手が加える力の影響が小さくなります。このため、ジャンプするにつれて徐々に高さが上がる割合が小さくなり、近似的に一定の高さで頭打ちになるのです。
これに加えて、実際は落下の衝撃に耐えるためや落下のスピードがあがるために選手がトランポリンに加えられる力fは徐々に小さくなると思われますので、跳躍高さは頭打ちとなります。