3つの運動 その4 総括2

 前回は、トランポリン・エアリアルトレーニングにも限界があり、他の道具を使う必要もあると書きました。今回は、トランポリン・エアリアルトレーニングが他の運動より優れている点を説明します。

 一般的にトランポリントレーニングの利点は、他のスポーツではなかなか多くできない、体軸平行運動を集中的に行える点にあり、しかも跳躍に必要な脚力がない幼児でも容易に跳べることから、支えのない空中経験が得られることが利点であるとされています。

 しかし、トランポリン運動が優れている点は、それだけではありません。

 以前、トランポリン運動の宙返りでは、体軸平行運動と左右軸回りの回転運動の2つで行われるが、器械体操運動(床運動)では同じ宙返りでもその2つに加えて前後軸平行運動が合わさった3つの運動組み合わせになると書きました。この点は非常に重要です。

 もう1つ重要な点は、水泳やトランポリン運動は基本動作が体軸平行運動であり他の多くのスポーツは前後軸と左右軸の平行運動の2つの組み合わせであるということです。

 トランポリン運動の特徴は、回転運動と平行運動の組み合わせ数が、他の運動より少ないという点にあります。つまりシンプルなのです。

 小さな子供は、複雑な動きができません。できるだけ単純な動作を経験させ、徐々にその組み合わせにより複雑な運動へと導いていくことがこどもの素養づくりに対しては重要です。つまり、動作がシンプルな運動から始めて、徐々に複雑な動きを経験させていくことが非常に役立ちますので、動作がシンプルなトランポリン運動は、運動初期のトレーニングに非常に役立ちます。それに加えて、トランポリン・エアリアルトレーニングでは簡単な動作から複雑な動作へと段階練習をするようになっていますので、非常に良質なこどもの素養づくりトレーニングであるといえます。