はじめに

 普及指導員が行う指導には社会人向けの段階練習帳に則ったレクレーショントランポリンの指導(対象は運動経験のない成人女性)、バッジテスト練習帳に則ったエアリアルトレーニング(子どもの素養づくりともいい、対象は10歳以下の児童)、宙返りを含まない競技選手育成(対象は競技選手に適用した運動能力を持つもの)の3つがあります。

 この中でもっと最初に整備された社会人向けの段階練習帳のうち、指導できる範囲は段階練習帳の30番までの技となっています。  

 段階練習帳の30番までには宙返り(頭部が重心を通過する回転運動)は含まれません。つまり普及指導員は宙返り種目を指導することはできないのです。そして一部の例外がありますが、上半身の縦回転(前方回転及び後方回転)については1/4回転までしか指導できず、また背落ちは指導範囲に含まれていません。

 普及指導員は段階練習表に沿った指導をすることが必要ですが、杓子定規に順番通りにすればよいというものではなく、必要に応じて適宜順番を変えてもよいことになっていますが、中には順番を変えてはいけないものもあります。

 普及指導員となるには、この段階練習帳の順番を覚えるだけではなく、なぜそういう順番になっているかを理解し、どのような練習を指導すればよいかを理解していなければなりません。

このブログでは、普及指導員の教本「種目系列」に加えて、「軸系列」という概念と人間の「心理」を考慮して、理論的に段階練習表を考察していこうと思います。