フックの法則と締め

 トランポリンでは締めが必要といわれています。ではなぜ締めが必要なのでしょうか?

1つは締めて姿勢を維持することにより空中で安定するためです。もう1つはトランポリンの弾性力を利用して跳躍するためです。

前回書いたように人体も力が加われば変形します。トランポリンの弾性力を有効に利用するには、人体の変形Xを小さくすることが重要です。人体の変形を小さくするには、フックの法則(F=KX)からいうと、Kを大きくすればよいことがわかります。Kに反比例してXは小さくなります。

 筋肉を締めると体は固くなります。つまり、締めとはフックの法則におけるKを大きくする技術なのです。体を締めて、ばね係数を大きくするあるいは剛性を高める、技術が締めなのです。