座屈と正しい姿勢

 座屈という現象があります。座屈というのは、本来その物体が持っている強度よりも小さな圧縮力で、横方向に大きく曲がって壊れてしまう現象です。数式がありますが非常に複雑なので省略します。一般に細長い物質ほど座屈しやすくなります。しかし、力が物体の中心(重心)とずれた位置にかかると短くても座屈は起こりやすくなります。このように重心とずれた位置に力がかかることを偏心荷重といいます。

 トランポリンではトランポリンの弾性力が人体に加わることにより人体を空中に浮かせています。この弾性力が重心とずれると人の体も座屈のように大きく曲がって、その分だけ高く飛べなくなります。トランポリンの弾性力がかかるのは、足元ですから、体の重心が足の真上になければ、偏心荷重となり、人の体は横方向に曲がり、その分弾性力が殺されてしまいます。

 より高く飛ぶには、重心を足元の真上に位置できるようにしておくことが大切です。足の真上に重心が来るようにするのが正しい姿勢です。また偏心荷重がかかるとその分体の負担が大きくなり、故障をしやすくなります。