危機感の原則

 人は危険なことを自然と避ける危機感を身につけています。危機感の原則はその危機感を考慮して作られています。危機感つまり恐怖心は以下のようなものがあります。

 1)人は高いところから落ちるのが怖い

 2)人は登るより下る方が怖い

 3)人はオープンサイド(見える方向)への移動よりブラインドサイド(見えない方向、背後)の移動が怖い

つまり恐怖心は

 高い>低い、下る>登る、ブラインドサイド>オープンサイドとなっています。

 恐怖心が強いものは危険であるまたは恐怖心によりトライできないものですので、以上のことを前提として、段階練習の順番は作られています。つまりこの原則を理解しておくとどの段階でどの技を練習することになっているのかを理解しやすくなります。

 なお、高いところから落ちる方が低いところから落ちるより危険度が高いことからわかるように、恐怖心が大きいものと危険度には相関性があります。また、高いところから移動するという点においては、上下移動だけではなく回転移動にも当てはまります。上半身(頭部)が回転運動をすると、落下高さは大きくなりますので、上半身の回転運動がない方が、下半身のみで行う運動より安全性が高く、恐怖心が少なくなります。

 最後に、恐怖心が大きいと人はうまく動くことができなくなります。つまり恐怖心故に性格にできず中途半端な状態で落下して怪我をする危険性があります。そこで、できるだけ恐怖心を持たないように段階的に練習することが大事です。