エネルギーから見たトランポリン運動(4)

 今回は第3のエネルギーについて書きます。

 以前トランポリン選手は5m程度跳んでいると書きました。体重をWとすると、ピーク時では5Wの位置エネルギーを持つということになります(本当は単位を明記した方が良いのですが省略します)。

ここで、ピークより1m下がった位置では1Wのエネルギーが減少して4Wの位置エネルギーを持っています。でもこの時、トランポリン選手はまだ空中にいますので、弾性エネルギーは0です。1W分のエネルギーが減っても弾性エネルギーは増加していないのです。これではエネルギー保存の法則が成り立ちません。エネルギー保存の法則が成り立つためには、位置エネルギーでも、弾性エネルギーでもない第3のエネルギーがあるのです。

それが運動エネルギーです。運動エネルギーは式で書くとmv^2/2またはmvv/2となります。ここでvは速度です。つまり速度を持っているということは運動エネルギーを持っているということです。

エネルギーの観点から見ると、トランポリン運動はトランポリンの弾性エネルギー、運動エネルギー、位置エネルギーという3種類のエネルギー状態が割合を変えながら行われる運動となります。