摩擦3

 トランポリンを靴下で行うと滑るのでしょうか? 実は正しくトランポリン運動を行えば、滑りません。というわけで、前回摩擦係数のお話をしました。今回は水平に働く力fについてです。

滑るためには、接触面にf>μP以上の水平力が働く必要があります。ここで問題です。トランポリンは垂直に跳躍をするための補助器具です。水平方向への跳躍は補助しません。垂直に力を加えて、垂直に跳躍するための器具がトランポリンなのです。だからトランポリンに水平力を加えるのは、本来行うべきでない力が発生していると言うことになります。

トランポリンでは、宙返りや捻りによる回転運動を行いますので、それによって水平力が発生しますが、着地の際にはその回転力を停止して垂直に落下するのが、正しいトランポリン運動です。水平力が発生するのはこの回転コントロールが正しくできていないまたは、斜めに落下しているなど、トランポリンという器具を使うための技術が不足しているからです。トランポリン運動が正しくできている、すなわち回転をコントロールし、まっすぐ垂直にトランポリンに着地していれば、水平力fは発生しませんすなわち0ですので、摩擦力を上回ることはありませんので、滑ることはありません。

トランポリンで滑るというのは、跳躍補助器具としてのトランポリンという器具の本来の使用方法をしていないか、単純に跳躍や回転コントロール技術が不足していると言うことになります。

なお、体操競技で使用するタントラ(タンブリングトラック)は水平移動して利用することを前提にしたものですので、このような場合は水平力が常時発生しますので、滑らないように裸足でした方がよいと思われます。