事故分析における注意

 事故が発生した場合、原因を把握することは非常に重要です。前回合宿中における事故記事について書きました。

 合宿中の事故の記事が多いことについては、2通りの考え方があります。1つは合宿中という日本トランポリン協会が把握しやすい状況で発生しているため、記事になり易いというものです。もう1つは合宿得普段と異なる環境による影響で事故が発生しやすいという考え方です。

 合宿中に事故記事がのるのは前者によるものが多いと思いますが、事故が発生した時、人は自然と無意識に責任から逃れようとします。合宿の事故記事が載っているのは前者のせいであると結論付けるのは簡単です。合宿中における事故は普段の練習と同じ程度しか

発生しないとすれば、まさに前者による理由によるものです。しかし、普段の練習と比較調査を行わなければ本当に合宿中において事故の発生は普段と変わらないのか、多いのかは判断できません。もし、前者によるものと結論付けてしまっては、本当は合宿という練習環境による影響があったとしてもそれはそのまま闇に葬られてしまうことになります。このような隠れた危険性を見逃してしまっては、事故調査としては不十分です。

 事故調査の際には、責任が本当になかったかどうか、一見明らかな原因に隠れて別の危険性がなかったかを見逃さないように考えることが重要です。