バッジテストと競技検定はどう違うのか?

 トランポリンの資格制度からまず説明しましょう。バッジテストと競技検定はともに普及指導員という資格を持つ指導者が指導することになっています。この普及指導員という資格では60段階ある段階練習表(普及版)の種目の内、前半の30番までの種目しか指導できないことになっています。このため、競技検定上級の種目はバッジテスト1級と同レベルの初級レベルの種目になっています。つまり競技検定でもバッジテストでも指導されるトランポリン種目は同じです。でも両者は目的が異なっています。

 バッジテストはトランポリンという器具を用いて子供の素養づくりのためのトレーニングを行うものであり、トランポリンの本質である「より高く・より美しく」を考慮しないで単純にトランポリンの基礎種目ができれば合格できるものとなっています。つまり種目ができるかどうかだけが判断基準です。一方競技検定は宙返りを含まないトランポリン初級レベルの基礎種目を「より高く・より美しく」できるように11つの種目の完成度・正確さなどを考慮して合否を決める内容となっています。そのためより多くの反復練習が必要となっています。

 このように競技検定では11つの種目の完成度を高めるために、より多くの反復練習が必要です。じっくりと時間をかけて11つの種目を完成させていくのが競技検定です。このように基礎をしっかり身につけ、より高度な種目ができるような土台をつくるのです。トランポリンを愛好し、いろいろな種目に挑戦していき続けていくには、そのような基礎を最初から作っておいた方が望ましいのです。

一方トランポリン運動をする者のすべてがそのようなことを目的にしているわけではありません。じっくりとトランポリンの技術を身につけることよりも、空中バランス能力を身につけることを目的としている人もいます。他のスポーツを目指すものにとってはトランポリン技術を身につけることが目的ではなく、運動能力向上、バランス能力やインナーマッスルを養成するためにトランポリンを利用することの方が重要です。1つの種目をきっちり身につけるよりもいろいろな種目を短期間で経験することの方が重要であることも多いです。そのようなトレーニング目的で作られたのがトランポリン・エアリアルトレーニングであり、それを実施する手段としてバッジテストがあります。

 つまりトランポリン競技者やトランポリン愛好者のためにつくられたのが競技検定であり、トランポリンというスポーツをすること以外の目的でトランポリンを利用する子どものためにつくられたのがバッジテストです。

 

 

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