ギブアップ

 シャトル競技では、自分が未習得の種目をされた場合、ギブアップすることができる。これに対してシャトルゲームでは明示されてはいないもののギブアップはないと考えられる。なぜならば、シャトルゲームに参加するには、バッジテスト5級~1級のすべてに合格していることを要件としているからである。シャトルゲームで使用する種目は段階練習1番から40番までにすべて盛り込まれており、バッジテストに合格するにはそのすべてが習得済みとなっているので、シャトルゲーム会に参加する児童に未習得の種目は存在しないのである。

 シャトル競技はレクレーションスポーツであり、それ自体を楽しむために行うため、初心者でも参加できるように、年齢以外の参加資格は設けられていない。だから未習得の種目があっても参加することができる。社会人は児童に比べて分別があり、危険を避けることができるから、ギブアップを設けることにより危険回避ができる。参加資格を社会人に限定することにより、分別のない若者の参加を防止しているといえる。

 一方シャトルゲームの対象は小学生であり、社会人に比べて分別がなく、危険回避能力は低い。未習得の種目でも無理に実行する危険性がある。それを避けるために、バッジテストという検定制度を設けて、未熟なものがシャトルゲームに参加できないようにすることで安全を担保しているのである。

 また、シャトル競技はレクレーションスポーツであり、初心者でも参加できるようにしているのに対して、シャトルゲームは子どもの運動能力向上のためのトレーニングであり、必要があるから、つまり義務的に行うべきものであるため、楽しいからといって簡単にシャトルゲームに参加できないようにしてあるのである。つまりシャトルゲームは楽しいかもしればいが、それを行うのは、楽しむために行うのではなく、トレーニングの一環として行うものなのである。

 

 

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