どのくらい練習すればよいのか?

 

 日本体操協会の公認コーチ講習のテキストでは、反復練習について以下のように書いてあります。

“安全指導の観点から見た反復回数の下限は「連続運動の中に取り込める程度の習熟に必要な回数」と言える。”下限値として連続練習の中に取り込めるほど、つまりバッジテストの段階練習にある連続練習が来る程度の反復回数が下限値であることがわかります。

 そして普及指導員講習テキストではエアリアルトレーニングの反復回数については以下のように書かれています。“条件反射ができるまで反復しない”またトランポリンエアリアルトレーニングの趣旨から“反復運動を極端に減らし、種目の習得進度を早めねばならない”とされています。つまり反復回数には上限があり、条件反射してしまうほど練習させてはいけないこと、反復回数はできるだけ減らすように指導することになっています。

 そして必要な反復回数については、以下のように書かれています。“競技選手の練習のように、一つの美しい動作を条件反射的に行えるほど反復すべきでない。個人差があり、反復回数を何回と限定することはできないが、シャトル・ゲームの中に取り込める程度上達するまで反復すべきである。”

 つまり、バッジテストにあるようにパターン化した連続運動に取り込めることが安全上最低限必要な反復回数であるのに対して、組み合わせを自由にした連続練習であるシャトルゲームが実施できる程度には反復練習はすべきであり、条件反射が行えるほど反復練習はさせてはいけないということになっています。

 なお、安全上最低限必要な反復回数である、パターン化した連続運動ができるレベルがバッジテスト会における合格基準となっています。つまり、バッジテストに合格できたレベルは最低限必要な反復練習しかしておらず、トレーニングに必要な練習回数をしていない状態で合格になっていることは注意が必要です。つまり合格時点では必要な反復練習は行われておらず、合格後も練習する必要があるということです。そうしなければ必要なトレーニング成果は出ないことになります。

 合格を機にトランポリンをやめる人が多いのですが、それでは練習の途中でやめてしまい、必要な能力が身につかない状態でやめてしまうことになりますので注意が必要です。


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