余談4 前後の関係

 普及指導員には関係ありませんが、コーチの教本では、前方宙返りと後方宙返りは同程度練習する必要があるとされています。

 段階練習を見ると、徐々に高度な種目になるように似た種目が連続している部分が多いですが、段階練習3「腰落ち」と段階練習4「膝落ち」、段階練習12「腰落ち-よつんばい落ち」と段階練習13「よつんばい落ち-腰落ち」、段階練習21「腹落ち」と段階練習22「腹落ち-腰落ち」という並びも特徴的です。

 「腰落ち」と「膝落ち」は軸系列で考えると下半身が前方回転系・後方回転形という順番になっています。同様に段階練習12と13は前後逆の関係にあります。また段階練習21と22も回転方向を考えると前後の関係にあります。立位からの上半身の後方回転は「背落ち」になります。「背落ち」は危険性が高く恐怖心が強い種目ですので、普及指導員の指導範囲には含まれていませんので、代わりに「腹落ち-腰落ち」つまり上半身を考えると水平から垂直に後方90度回転する種目を代用しているとすれば、この3つはすべて前後の関係にあります

 これらは冒頭に述べたように、前方と後方を同じ程度経験させるという考えで並べられたのではないかと思われます。

 なお、この3つとも前方回転系の種目が先に実施されています。これは、「危機感の原則」で説明したように、ブラインドサイドつまり背後への移動は恐怖心が大きいという「危機感の原則」に従って並べられています。