バッジテストではどうして低い合格基準を採用しているのか?

 以前にも書いた様にバッジテストの合格基準は安全上最低限の完成度で次の段階に進められるようになっています。

 スキャモンの研究成果などによると運動神経が向上するための時期は10歳ぐらいまでであり、それ以降は成長しないとは言えないまでも大きな効果は期待できません。つまりトレーニングに有効な期限は限られているのです。

 バッジテストはトランポリンのためのトレーニングではなく、他のスポーツに必要となる空中感覚を育てることを目的にしていますので、じっくり育てて大きく育てるというトランポリン選手の育成のような時間がかかるトレーニングを行っていては、効果的なトレーニング時期を逃してしまう恐れがあります。そこで、低い合格基準を設定し、最低限の段階で先に進んで先を進めるのと並行して合格済みのものを練習して完成度を上げていくようにし、できるだけ豊富な運動経験が行えるように作られています。

 つまり必要な時期に必要な種類のトレーニングが行えるようにするため、できるだけ早く35種目を習得し、シャトルゲームが行えるように、合格基準は安全上問題のない範囲で低く設定されているのです。このため、バッジテスト会では、反復回数でいえば、安全上最低限の回数を練習したことが確認するものとなっており、能力向上のために必要と考えられる反復回数を練習していることまでは確認できないものとなっているのです。

 なお、このような低い基準を採用していることは、普及指導員でなければなかなか知る機会はありませんので、合格を非常に価値のあるものと父兄が思い込んでしまうのも仕方ありません。しかし、本来トランポリンエアリアルトレーニングは空中で体を自由自在にコントロールすることにより運動神経開発することにあります。しかしバッジテストは決められたものを、指導者の指示に従って練習し、決められたことを判定員の前でするだけで合格してしまいます。あらかじめ決められたことができるだけで合格してしまうバッジテスト会では、決められた範囲で連続運動を行うことは確認できますが、自由自在にコントロールできるかどうかまでは判断できるわけはありません。よく考えてみれば、あのようなテストで体を自由自在にコントロールできているかは保証されるようなものではないことがわかると思います。


   クイズ一覧へ