8.研究結果3(トランポリンでの加速度分布)

 前回述べたようにトレッドミルの加速度はかかとが常に大きいというのに対して、トランポリンでの跳躍の場合、測定場所による加速度の大きさの差がないことが報じられています。

 これはどういうことでしょうか?トランポリンは跳ぶだけで全身運動といわれています。前回はランニングの振動分布を距離減衰で説明しましたが、ランニングの場合着地時点では膝を曲げているため膝で振動を吸収してそれ以上の部分への伝達が小さくなっているものと考えられます。一方トランポリンをうまく利用するには、着床の際にはまだトランポリンのベッドを押し込み、一番下に沈み込んだ時点でトランポリンから最大の弾性反力を受けることです。そのためもっとも衝撃を受ける最下点ではひざを伸ばしていわゆる締まった状態で跳ぶのが正しいとされています。このため膝で振動を吸収するランニングとは異なり、人体は一体化して振動を受けることになるため、測定部位による差がないものと考えられます。