11.研究結果6(前提条件)

 前回NASAはトレッドミルの歩行・走行とトランポリンの跳躍による加速度を測定することにより、トランポリンの運動効果が高いこと、実際は発生する加速度が高いことを報じていることが確認できたと述べました。

 しかし実験には前提条件があります。アブストラクトでは、“酸素摂取量と心拍数が同じレベルになった場合”を比較すると発生する加速度がトランポリンの方が大きいことを報じています。

 酸素摂取量と心拍数は比例関係にあり、酸素摂取量は消費カロリーと比例関係にあります。つまり同じダイエット効果を得られると思われる運動をした場合、トランポリンの方が大きな加速度を受けるということを報じているのです。いいかえれば、トランポリンの方がジョギングに比べて消費カロリーが大きいという報告ではないのです。

 アブストラクトでは確認できない「ジョギングよりも68%も運動効果が高い」というのはおそらく本文中に記載されているものと思われますが、ここでいう運動効果とは、消費カロリーが大きいとかダイエット効果が高いというものではなく、同じ消費カロリーつまりダイエット効果がある運動をした場合の運動刺激(加速度)がトランポリンの方が高いということを指しているのです。