12.研究結果7(無重力)

 前回トランポリン運動の効果が高いというのはダイエット効果、消費エネルギーが高いということを意味していないと述べました。ではNASAがいう運動効果とは何でしょうか?

 アブストラクトのまとめとして、無重力空間にさらされた人の健康障害に対するリハビリに役立つとされています。この研究は、NASAの研究らしく宇宙空間という無重力空間での健康障害に対するトレーニング法を探るものなのです。

 無重力空間では重力の影響を受けないつまり体重を感じない世界です。そのため体重を支える必要がないことから筋力が衰えたり骨密度が低下するようです。この研究はそのような健康障害のための研究なのです。すなわちダイエットとか消費カロリーのための研究ではないのです。

 事実トランポリンの効果をNASAが実証していると報じているサイトの中には骨密度低下のためのものであると書いているサイトもあります。つまりトランポリンの運動効果は消費カロリーが高いなどというダイエットへの効果ではなく、筋肉や骨密度といった肉体そのものへの運動効果であり、脂肪細胞への運動効果ではないと言えます。

 というわけで、ダイエット効果を示すために、NASAの研究を引用するのは間違っていると考えられます。