トランポリンは、ベッドとスプリング(ゴムケーブル)の弾力を利用した跳躍運動である

 表題の“トランポリンは、ベッドとスプリング(ゴムケーブル)の弾力を利用した跳躍運動である。”とは、(公財)日本体操協会のトランポリン普及指導員資格認定講習会教本の単元1の冒頭に書かれた記述です。力学的に考えるとこの表記は少々おかしいのです。

  前回書いた様に同じユーロトランポリンのベッドとばねを日本製のフレームに取り付けると固いと言われています。そしてその原因はフレームにあるのです。

  従来日本製のトランポリンはやわらかいストリングスベッドを用いていましたので、堅く頑丈にできています。一方ユーロトランプは堅いテープベッドを用いていましたのでそれを補うためにフレーム全体がしなるようにして全体的な剛性を低くして高く跳べるようにしているようです。フレームが固いためユーロトランプのベッドとばねを用いても日本製のフレームが固いので競技会で使用されているユーロトランプと比べると固くなってしまうのです。

  フレームもばねも同様に金属で作られています。そして金属は弾性材料なのです。フレームも弾性体であり力が加われば変形しそして弾力をもつのです。だから力学的に考えると、“トランポリンは、ベッドとスプリング(ゴムケーブル)の弾力を利用した跳躍運動である。”ではなく、“トランポリンは、ベッドとスプリング(ゴムケーブル)とフレームのの弾力を利用した跳躍運動である。”といえるのです。

  日本製のフレームのようにフレームがほとんど変形しないように作っているのならその変形量はほんのわずかであり無視できるようになりますが、ユーロトランポリンのようにフレームのしなりも含めて設計されている場合その変形は無視できません。その結果が日本製のフレームにユーロベッドを張ると固くなるということなのです。