バッジテストの間違った使用による悪影響

 平成20年に普及指導員制度の改正が公表され、改定された教本が平成22年に発行されました。その中にあった競技検定が5年たった平成27年にようやく開催要項が作成され、今後競技検定の開催が行われていくものと思われます。

 これで子どもを対象としたトランポリンに関する制度はトランポリン競技検定とバッジテストという2つのテスト制度が行われることになります。そこで、世間に広まるバッジテストに関する誤解を解消することが重要だと思われます。その誤解とは「バッジテストは子どものレクリエーショントランポリンのためものである」というものです。

 さて、上記に示した「バッジテストは子どものレクリエーショントランポリンのためものである」というたった1つの間違いが非常に多くのことに悪影響を及ぼしています。

 

 塩野先生の資料では悪影響として以下の点が挙げられています。

1、トランポリン競技に最も大切な身体の美しい線づくりに悪影響を及ぼします。

2、バッジテストは、その目的の関係上、各種目の反復回数を極端に少なくしていますので、貧弱な基礎系種目の習熟度の上に背落ち系や宙返り系の種目を載せていくと、大事故を起こす可能性が出てきます。この場合、不可抗力的な事故とはなりません。指導者の過失責任が問われることになります。

3、バッジテストを子供のレクリエーション・トランポリン愛好者の練習メニューにしておくと、球技系スポーツ等の指導者たちに、バッジテストが「球技系スポーツに有効」とは言えなくなります。

 

 しかし、悪影響はそれだけではありません。他にもたくさんあります。塩野先生が指摘したものと重複するものもありますが、自分が考える悪影響を以下に列挙します。

 1)競技検定の普及の妨げになる。

 2)トランポリン競技選手育成の妨げになる。

 3)トランポリンというスポーツ裾野拡大の妨げになる。

 4)レクリエーショントランポリン志向の子どもをつぶすことになる。

 5)トランポリン事故の危険性が高くなる。

 6)法律に抵触する。

 7)他のスポーツの指導者の理解を得られない。

 8)トランポリンを利用しての社会貢献を低下させる。

 9)シャトルゲームの発展を阻害する

10)トランポリンエアリアルトレーニングの効果を低下させる。

 

 以上バッジテストの誤用を続けていると多くの問題が発生します。