第12回 「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」より(4)

 「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」の「5.バッジテスト(5級)終了後にコース(バッジテスト・競技検定)の再確認」では、引き続き以下のような記述があります。

 “バーベル運動に例えると、バーベルの重さを競う「ウェイト・リフティング競技」と異なり、全てのスポーツ競技選手が行う筋力トレーニングに匹敵するものである。空中感覚など神経系の発達を促す調整力トレーニングの分野である。従ってその対象者は将来トランポリン競技以外のいろいろなスポーツ活動を行う幼少年期の子ども達である。”

 ここで示されているように多くのスポーツ選手はバーベルを使った筋トレを行います。しかしバーベルを使ってトレーニングを行う人のほとんどは「ウェイト・リフティング競技」自体には興味がなく、自己の行うスポーツに必要な能力(筋力)をつけるために行っているのです。つまりバーベルを使うトレーニングを行う人の多くは「ウェイト・リフティング競技」を目指しておらず、またその愛好者でもないのです。中には筋トレ自体も好きではないが必要だから行っている人もいることでしょう。同様に多くのスポーツ選手は走り込みを行いますが、そのすべてが陸上競技愛好者とは言えないでしょう。

 トランポリンのエアリアルトレーニングも同様に、トランポリンを愛好するために行うのではなく、トランポリンを使ったトレーニングが必要だから行うものであるということです。

 「ウェイト・リフティング競技」はどれだけ重いものを持ち上げるかを競う競技ですが、バーベルを使用するトレーニングには、持久力をつけるため比較的軽いバーベルを何回も持ち上げるようなトレーニング方法も存在します。同様にトランポリンエアリアルトレーニングは、トランポリン競技に必要な「より高く・より美しく(付け加えるならより難しい種目を)」できるためのトレーニングではなく、より多種多様な空中運動経験を体験させるためのトレーニングであり、その習得種目は35種目限定されています。より多くの種目を行っていくトランポリン愛好者のためのトレーニング方法ではないのです。その証拠にバッジテストの対象は子ども(主に10歳以下)に限定されており、禁止はされてはいませんがレクトラ目的の成人は対象となっていないのです。