単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」より(10)

「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」の「7.エアリアル・トレーニング指導上の留意点」「3、習得した空中動作(種目)をどの程度反復させておけばよいか。」では以下のように書かれています。

 “競技選手の練習のように、一つの美しい動作を条件反射的に行えるほど反復すべきでない。”

 一般にスポーツ技術の習得・技術の向上については反復練習が必要です。その技術をより洗練させるには、より多くの反復練習が必要です。繰り返し何回も反復練習を行うことにより、その動作を意識しないでも行える“自動化”が行われます。自動化が起こればいちいち考えずに条件反射的にその動作ができるようになります。

 では自動化が起こると何がよいのでしょうか?自動化が起こる利点としては2つあります。まずいちいち考えずに行動できるので素早い動きができることです。もう1つは意識せずに行動できるため、意識を他のことに向けられるのです。たとえばサッカーではドリブルを自動化してできれば、ドリブルをしながら周りを見る余裕ができます。しかし意識してドリブルをしなければならない段階では、ボールなどに注意しないとうまくドリブルできません。

 同様にトランポリンを愛好しより難しい種目を習得したいのでしたら、基本的な動作は自動的に行えるようにしておかなければ、なりません。そのため、競技者やレクトラでは自動化が起こるまで反復練習することが必要なのです。しかし、エアリアルトレーニングでは、自動化が起こる(条件反射的に行える)まで反復してはいけないことになっています。これはエアリアルトレーニングがトランポリンのための練習法でないことを意味しています。