第20回 「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」より(11)

 「単元8 スポーツの素養づくり子どものトランポリン運動(エアリアル・トレーニング)」の「7.エアリアル・トレーニング指導上の留意点」「3、習得した空中動作(種目)をどの程度反復させておけばよいか。」では以下のように書かれています。

 “個人差があり、反復回数を何回と限定することはできないが、シャトル・ゲームの中に取り込める程度上達するまで反復すべきである。”

 上記の文の前では自動化が起こるまで反復練習をさせてはいけないということが書かれていました。つまり反復練習には上限があるのです。そしてここでは、反復練習の下限についての説明がされています。反復練習が少なければ、安定性が低くなり安全上問題があるからです。

 ここで注意すべきはその反復練習の下限値を「シャトル・ゲーム」に求めていることです。シャトルゲームは多くの地域で実施されていませんが、トランポリン・エアリアルトレーニングにおいてシャトルゲームは非常に重要な位置を占めています。

 シャトルゲームでは社会人の行うシャトル競技と異なり引き分けやそれに伴う判定による勝敗の決着というのはありません。これはシャトル競技がトランポリン愛好者のためにつくられたものであり、最終的に「より高く、より美しい」演技ができることが必要であるのに対して、エアリアルトレーニングにおけるシャトルゲームはそれを必要としていないためです。名前が似ているので混同されやすいのですが、エアリアルトレーニングにおけるシャトルゲームはトランポリン愛好者のためのものではないのです。それだからこそ名称も変えてありルールも変えて、似たようなものを2つも作ってあるのです。シャトルゲームはレクトラのためのものではありません。そしてシャトルゲームを含んでいるエアリアルトレーニングもレクトラのためのものではないのです。エアリアルトレーニングがレクトラのためのものではないのでその中の一部であるバッジテストもレクトラのためのものではないのです。