第41回 競技検定とバッジテストの基準

 普及指導員教本に関しては今回が最後です。

 前回バッジテストは安全を確認するものであると書きました。これは競技検定も同様です。両者はともに安全を確認するものなのです。しかしその基準には大きな違いがあります。

 競技検定の範囲は段階練習表(普及版)の30番までのテストですが、このテストに合格した者は30番までの種目についてその完成度を確認することで31番以降の種目に進めてもよいかどうかを判断しているものといえます。

 競技検定が31番以降の種目を実施する為に必要な基礎技術の完成度を判断基準にしているのに対して、バッジテストはシャトルゲームが実施できるようにすることを前提にし、公式のシャトルゲームに3回程度参加した時点でトランポリンを卒業することを前提にしています。言い換えればシャトルゲームで用いる35種目に種目を限定することにより、低い基準に設定されています。それを前提に合格基準はその種目自体が安全に行えるかどうかを判断するものになっています。つまり、もっと高度な技を実施するために必要な完成度を求めていません。

 ともに安全を確認するものですが、競技検定はより高度な種目を実施する為の安全確認であるのに対して、バッジテストは先を見越してではなく、その種目自体が安全に行えるかどうかの安全確認になっているのです。

 このため、バッジテストを受けていたものが、より高度な種目に挑戦しようとすると安全性が保障されないものとなります。

 

 次回からは、塩野尚文先生著『エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動』(道和書院)から引用して、バッジテストがレクトラのためのものではないことを示していこうと思います。