第14回 バッジテストは空中動作を経験させるものである

 塩野尚文先生の著作『エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動』の「6.指導上の留意事項」の「A.エアリアル・トレーニングの基本的な考え方」の「①目種目の難度・種目数」ではエアリアルトレーニングの目的として以下のように説明しています。

 “将来のスポーツ活動のために、より多くの空中動作を経験しておこうという趣旨のもとに行われるトランポリン運動の種目の難度・種類・種目数について断言することはできないし、今後の研究成果を待たねばならない。

 日本トランポリン協会では、トランポリン段階練習表30番程度の種目と反動閉脚跳びの計35種目程度と考えている。“

 

 ここで重要なのは、“より多くの空中動作を経験しておこう”という点です。より多くの空中動作を経験させるということは、多様性のある運動を行うということに通じます。

 また将来行うスポーツとはこの時点では決まっていないことが多く、すべてのスポーツに於ける空中動作をすべて網羅しておくことが望ましいのですが、それについては研究段階であるということも書かれています。

 より多くの空中動作を経験させるために、トランポリン競技では行わない、もし行った場合体が反って出来の悪い閉脚跳びとなる反動閉脚跳びをわざわざ種目に加えています。また当該書籍が書かれた時点ではありませんでしたが現在ではボールトレーニングも追加されています。これもより多くの空中動作を経験させるための対応です。

 以上のように、トランポリンエアリアルトレーニングはトランポリンというスポーツのためにつくられたものではなく、トランポリンというトレーニング器具を用いて将来行うであろう各種スポーツに備えたものなのです。