第16回 反復回数の制限

 塩野尚文先生の著作『エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動』の「6.指導上の留意事項」の「A.エアリアル・トレーニングの基本的な考え方」の「③ 反復回数の制限」では反復練習の回数について以下のように説明しています。

 “反復回数はシャトル・ゲームの中で使えるぐらいの習熟に必要な回数と言える。“

 

 反復回数はシャトルゲームの中で使えるぐらいの習熟に必要な回数というのは、突然行われた組み合わせに対応できる、すなわち自由自在に思い通りに身体を動かせる程度という意味です。反射回路が形成されると意識しないで体が動いてしまいますので、反射回路の形成は必ずしも体を自由に動かしているとは言えません。またバッジテストではあらかじめ反復練習し、覚えた連続運動ができるかどうかだけで合格としていますので、自由に思いのまま体が動かせるほどの反復練習をしていない段階です。その間にあるのが、シャトルゲームで使用できる程度の反復回数なのです。

 つまり、反復回数は、「バッジテスト合格<シャトルゲームで使用<<反射回路の形成」となっています。このことからバッジテストに合格した段階では反復練習の回数が不足して、体を自由に動かせる能力が身についてはいないと言えますので注意が必要です。

 これがバッジテスト1級合格後もシャトルゲームを行うためにトレーニングを続ける必要性の意義です。