第24回 「難度と美の追求」でなく、「身体の機能面の追求」

 塩野尚文先生の著作『エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動』の「6.指導上の留意事項」の「B.エアリアル・トレーニングにおける留意点」の「a 直接かたちに表れにくい留意点」では以下のように記述があります。

 “④ トランポリン競技のような「難度と美の追求」でなく、「身体の機能面の追求」であることを、いつも意識していること。(経験させること、試行錯誤させることに意義がある。)“

 

 上記は、エアリアルトレーニングがトランポリンの基礎種目を上手に実施できることを目的としているのではなく、空中での運動を経験させること、できるようになるために試行錯誤をさせ、それを通じて力の入れ具合、タイミングなどのデータを積み重ねさせていくことが目的です。それらのデータが将来の運動のデータベースとなり、またできたという喜びが運動を好きなる動機づけになるからです。トランポリンを愛好していくには、できたという段階で済ますのではなく、より高度な種目を実施できるための基礎として完成度を上げていく必要があります。それが「難度と美の追求」なのです。トランポリンエアリアルトレーニングはトランポリンのためのトレーニングではありませんので、そのような練習は不要ということです。