摩擦によるエネルギー逸散

 前回書いた様にトランポリンと床面との間に摩擦が発生します。またアルティメットについて書いた際に書いた様にトランポリン内でも摩擦が発生することがあります。摩擦が起こるとエネルギーの一部は熱エネルギーに変わり空気中に逸散します。

 

 つまりエネルギー保存の法則は以下のようになるのです。

 

  最高跳躍地点の位置エネルギー=最下点の位置エネルギー+トランポリンの弾性エネルギー+摩擦などにより外部に逸散するエネルギー

 

 逸散したエネルギーはトランポリンの跳躍運動に寄与しませんので、ある高さからものを落とした場合、元の位置まで戻らないのです。

 

 話をスタンスの話題に戻すと、スタンスを広げるとたわみは小さくなりますが、たわみが小さい分位置エネルギーは高くなります。もし外部とのエネルギーの出入りがなければ、スタンスの幅にかかわらず同じ高さまで戻るはずなのです。しかし実際はそうはなりません。ということはスタンスを広げることによって、外部に逸散するエネルギーの量が増えるのではないかと考えられるのです。

 では、スタンスを広げることによって大きくなるエネルギーロスの原因は何でしょうか?

 次回以降それについて検討していきたいと思います。