子供の素養作り

 「あの子は運動神経が発達している、していない」とか「鈍い」あるいは「感覚がよい」などとよく耳にすることがあるが、それは一般的に遺伝によるものと考えられがちで、運動やスポーツ嫌いのこの中には、自分は生まれつき鈍くて運動は苦手なのだと思い込んでいるものが少なくない。

 また親の方も自分自身がスポーツは苦手だったから、子供がだめなのはいたしかたないとあきらめている人が多いように思う。

 親も子もそう信じてしまうと運動嫌いは、一生を通じて決定的なものになってしまう。

 元来運動に関しての鈍い、鈍くないは、運動をつかさどる大脳の中枢が実際に運動を起こす身体中の筋肉をいかに上手にあやつったり、支配しているかという事で、生まれたときは、どんな子どもも同様、自分の身体をあやつる能力(中枢の筋肉支配能力)はほとんどない。

 したがって、遺伝的な要素がないとはいえないが、大半が後天的なものだと考えられている。

 また、その能力は、10歳の頃までにほぼ90%が大成してしまうと言われている。

 言葉をかえれば、鈍い、鈍くない、生後10年間に、いかに広範な動きを量的に多く経験したかによって決まるのだと考えてもさしつかえない。

(中略)

 すべてのスポーツが、高度化し空中戦へと移行している現在、すべての子どもたちにトランポリン運動を計画的に与えていくことは、スポーツ競技の発展に大変重要な意義を持つ。

(以上 塩野正純著「エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動」 道和書院 より)

 

 10歳頃までにこどもの運動能力が完成するというのは、スキャモンの発育曲線という研究データに基づくもので、このデータはトランポリンだけではなく、サッカーの指導方法の根拠にもなっているものです。日本トランポリン協会でも、日本サッカー協会同様スキャモンの発育曲線を元に、10歳以下の子どもの運動能力素養作りのために、計画的にトランポリン運動を与えるシステムとして、トランポリンエアリアルトレーニング法をつくり、その成果達成確認用にバッジテストとシャトルゲームをつくっております。

 

 「トランポリン広場 J-cube」ではトランポリン・エアリアルトレーニングシステムを通じて、子どもの運動素養作りの場を提供します。

 

 ※世間では、成果がわかりやすい技術指導中心のバッジテストが主に行われ、成果の確認が見えにくいシャトルゲームがあまり行われていませんが、エアリアルトレーニングの効果を十分引き出すにはシャトルゲームの実施が不可欠です。シャトルゲームこそがトランポリンを利用した「多様性のある運動」を提供するものです。
 「トランポリン広場 J-cube」ではバッジテストだけでなく、シャトルゲームの実施を推奨しています。