・トランポリンはダイエットに有効か?

ただ今「トランポリンダイエットのウソ」というブログを書いていますので、ダイエット効果に興味のある方は合わせてお読みください。


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 脂肪細胞は、らくだのこぶのようなものです。砂漠で生活するらくだは、こぶにエネルギー源や水分をため込んでそれを使用して生き抜くようになっています。人間の脂肪細胞もに、飢饉や獲物が捕れないときの非常用エネルギー貯蔵庫となっています。

 

 さて、肥満になるには、脂肪細胞が増える場合と、脂肪細胞の大きさが大きくなる場合があります。

 まず、脂肪細胞数が急増する時期は以下の3回あるそうです。

 1.妊娠末期の胎児の時

 2.乳児期(生後1年間)

 3.思春期

 脂肪細胞は増えることはあっても自然に減ることはないようなので、上記の3時期に脂肪細胞を増やさないことが肥満にならない第1歩です。 その後は、脂肪細胞を大きくしないことが肥満にならない方法です。


 本題に入ります。ダイエットというのを、体重を減らすことではなく、脂肪を減らすこととしてここでは扱います。なぜなら筋肉がつけば、筋肉の方が、比重が大きいので、当然体重は増えます。運動をすれば、筋肉はつきますので、体重が増えることもありますので。

 

 さて、筋肉をつけるには、筋トレを始めとした運動をすることです。筋肉に負荷・刺激を与えることで筋肉繊維が強くなり筋肉がついたという状態になります。

 筋肉はからだを動かす、広い意味での運動をするためにある組織です。ところで脂肪細胞はなぜあるのでしょうか?脂肪細胞は冒頭で述べたように、運動をするためのエネルギー貯蔵庫としてある組織です。すぐれた筋肉繊維とは大きな力や速い動きができるものであるように、優秀な脂肪細胞はエネルギーを効率よく蓄えることができる細胞です。脂肪細胞を優秀するには筋肉を鍛えるために行うように負荷・刺激を与えればよいのです。この負荷・刺激を与える方法として、エネルギー源である食事を少なくするという方法があります。つまりいわゆるダイエットです。エネルギーが摂取されないという状態が起こると、脂肪細胞は効率よくエネルギーを吸収できるようにかわります。つまり脂肪細胞が鍛えられ優秀な脂肪細胞となります。ここで問題なのは、優秀な脂肪細胞というのは、肥満を起こすものであると言うことです。食事制限により脂肪細胞が鍛えられると、以前よりも効率よく脂肪を蓄えるすなわち太るからだとなります。これがリバウンドといわれる現象です。

 脂肪細胞を鍛えないで、脂肪を減らすには、脂肪を減らしやすい身体を作るしかありません。先に述べたようにエネルギーを与えないと脂肪細胞は鍛えられてしまいますので、脂肪を減らすには蓄えたエネルギーを放出させることが必要です。エネルギーを放出させるのは、身体を動かすこと、運動することです。


 ところで、運動のエネルギー源は脂肪だけではなくグリコーゲンというものがあります。運動をし始めるとまず、グリコーゲンが消費されます。グリコーゲンはあまり蓄えができないものなので、30分も運動を続けると使い切ってしまいます。この状態になると脂肪細胞からエネルギーが供給されるようになります。グリコーゲンと脂肪の関係はバーベキューをする際の着火剤と炭の関係に似ています。炭に直接火をつけてもなかなか火がつきませんが、着火剤は簡単に火がつきます。しかしすぐに燃え尽きてしまいます。しかし炭は一旦火がつけば長くも燃え続けます。脂肪も同じで長時間運動するためのエネルギー供給源として存在するのです。だから、30分程度の運動をして始めて脂肪が減り始めるのです。


 さてトランポリンの話に入ります(ここでいうトランポリンにミニトランポリンは含みません)。トランポリン競技では、10本の種目を行いますが、これを行うと100m全力疾走したのと同じ程度の運動といわれています。つまり、トランポリン運動は無酸素運動に近いスポーツです。無酸素運動はダイエットに向かない運動です。一般にダイエットに効果があるというのは、小さくあまり跳躍できないミニトランポリンであって、トランポリン教室でつかう大型のトランポリンでは、疲労が激しく長時間の運動には向いて言いませんので、ミニトランポリンほどダイエット効果はないと思います。ただし、ミニトランポリンについても世間でいわれるほど効果はないようです。この点について詳しくは「トランポリンに対する誤解」を参照してください。

 

 さて、トランポリンはダイエットに全く効果がないかというとそうではありません。

 トランポリンは全身運動となります。とくに重力に逆らって高く跳び上がったり、着地の衝撃を受けたりします。この際に血液やリンパ液も身体の内部で動き、普段流れ込まない部分まで血液が流し込まれます。

 ところで、血管のすべてに血液が流れているわけではなく血管があるものの遊んでいる毛細血管はかなりの割合であるといわれています。トランポリンを跳ぶことにより、この毛細血管にまで血液が流れるようになります。血液が流れれば、血液を流すために血管が運動することになります。つまり血管も1種の筋肉なのです。血管という筋肉の運動は意識的に運動する物ではなく、自然に動く物です。血管が運動することによりエネルギーを消化しやすい体質、すなわち基礎代謝が高い体質となります。そのため、日常的にエネルギーを消化しやすい体質になりますので、ダイエット効果は有酸素運動をするような効果はなくとも、日常的に太りにくい体質になるという効果はあります。

 

引き続いて「トランポリンダイエットのウソ」も読む