上達を早くするコツ

 ローラーといえば、バッジテストに含まれる技で最も苦労する技です。ある生徒にその技の練習を始めさせたところ、「ローラーってこうするんでしょう」といって簡単にしてみせた生徒がいます。

 話は変わりますが、トランポリンは練習効率の悪いスポーツです。たとえばテニスでは、コーチが相手をしなくとも、生徒同士で打ち合うという練習ができます。野球ならば、キャッチボールや素振りなどを行うこともできます。しかしトランポリンは1度に練習できるのは、一人です。確かにマット運動などで補強することもできますが、やはりトランポリンは床上とは違う動作が必要ですので、効率は悪いです。

 さて、冒頭の生徒ですが、当時幼稚園児でした。その生徒は、半年前にお姉さんがローラーをマスターするのを苦労しているのを観察していて、どうすればよいか覚えてしまっていたのです。つまり、他の人が練習しているのを観察して、頭の中でローラーのイメージができあがっていたので、簡単にできてしまったのです。

 大人は頭で理解しても身体が動かないことはよくありますが、それに比べて児童は視覚から得たイメージだけで身体が動くようになることも多くあります。

 逆に並んでいてもおしゃべりしている子などは、やはり上達が遅い傾向があります。とくに、自分できちんと並ぶことのできない子は他の子よりたいてい後れます。視覚から来るイメージが作れないからです。

 待ち時間にきちんと並んで、他の人の練習を見ること、それが上達のコツです。そうするには、まずきちんと並べるようにすること、そしてきちんと他の人、特にうまい子の飛んでいるところを見ることができるようにすることです。

 トランポリンクラブではたいてい指導者は練習している生徒を見ており、並ばせたりするのは保護者にお任せしています。またできるかできないかは、年齢以上に生徒の性格によります。トランポリンの練習の際だけ指導してもそういうことはできるようにはなかなかなりません。日常生活において、普段から並ぶこと、そして見ることを教育しておくと、上達は早くなります。

 

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