バッジテスト解体新書(概要編)

 バッジテストの種目や段階練習の内容を解説した実技編はFC2ブログで作成中です。実技編はこちらをお読みください。

 

 

 

ブログの量が増えてきましたので整理しました。

 

その1(歴史・概説)

 バッジテスト解体新書を書く目的、トランポリンエアリアルトレーニングの歴史、指導の原則などについて書いています。

 

その2(発達・発育)

 トランポリンだけではなく、スポーツ全体の観点から、スキャモンの発達・発育曲線を中心に、

子供の発達・発育に応じたトレーニングについて書いています。

 

その3(発達・発育2)

 トランポリンを利用してできる子供の素養作りに必要な運動について書いています。

 

実技編

 バッジテストの段階練習帳にある種目について、その運動内容や適用できる技術について書いています。

 

バッジテスト解体新書(概要編)の最新のものは以下をご覧ください

 

 

 

バッジテスト解体新書(概要編) 最近のもの

2013年

12月

05日

最後に

 「実技編」の方はまだ残っていますが、「概要編」はこれでいったん終了とします。このブログを書いている間に「安全なトランポリンを目指して」を書くために、日本トランポリン協会の広報をすべて読み直してみました。その中には自分が指導者になる前の情報や忘れていた重要な情報がありました。またこの間に新たに読んだ資料にもたくさん検討すべきことがありました。このほかにも「競技検定」との関係、早期専門化にまつわる問題や、現状のトランポリン・エアリアルトレーニングについて改善したいと思う点も出てきました。

 これらを再考・整理して「展望編」として「バッジテストの問題点」、「早期育成」などの観点から、改めて書き足したいと考えています。現在全体構成を検討中です。まとまりましたら「展望編」として再開する予定です。

2013年

11月

28日

補足-前後回転運動について

 このブログでは、左右軸回りの回転運動を前方回転と後方回転の2種類として扱っています。前方・後方の基準は重心に対して頭が前に動く回転運動を前方回転、後ろに動く回転運動を後方回転と定義して扱っています。

 なお、重心に対して頭が回転運動を伴わない回転運動もあります。たとえば肩を中心にして腕を回す運動も肩のラインの左右軸回りの回転運動です。腕については、重心からの位置が頭と同じく上部にありますので、前後回転運動の方向については、一般用語として混乱はないと思います。

 しかし、下半身・脚の回転については、混乱があるかも知れません。なぜなら、下半身・脚については、重心に対して頭部と逆の位置にあるからです。

 このブログでは、前に定義したように重心に対して頭部の動く方向を基準に前後を決めています。そのため、下半身・脚が前方にでる運動は前方回転ではなく後方回転、膝を曲げるなど、脚を後ろに引く運動を後方回転ではなく前方回転として扱います。

 この点ちょっとわかりづらい点なので、「技術編」を読む際には注意して下さい。

 

2013年

11月

14日

3つの運動 その4 総括3

 トランポリン運動の特徴として、縦軸平行運動主体の運動であること、回転運動と平行運動の組み合わせがシンプルであることを前回書きました。これに加えてトランポリンの特徴として、捻りを除けば、左右対称運動であることが挙げられます。トランポリンは他のスポーツに比べ左右対称運動が多いことが特徴です。

 たとえば走るということは、一見左右対称の運動ですが、運動をする際の一瞬をとらえれば、片側が前に出ていますので、左右対称ではありません。水泳ではバラフライや平泳ぎは左右対称ですが、クロール・背泳ぎは完全な左右対称運動ではありません。これらは左右交互運動です。

 一般には両方の足を前に出すなどの運動をすることはきわめて少ないです。鉄棒などを用いればできますが、かなりの筋力が必要です。しかしトランポリンでは両脚を前に出すといった運動が容易にできます。つまり、トランポリンを利用すれば他のスポーツではなかなか経験できない運動が可能と言うことです。

 基礎運動能力の開発にトランポリンを用いた左右対称運動を取り入れ、左右バランスのよい肉体を作ることは非常に有効と思われます。

2013年

11月

07日

3つの運動 その4 総括2

 前回は、トランポリン・エアリアルトレーニングにも限界があり、他の道具を使う必要もあると書きました。今回は、トランポリン・エアリアルトレーニングが他の運動より優れている点を説明します。

 一般的にトランポリントレーニングの利点は、他のスポーツではなかなか多くできない、体軸平行運動を集中的に行える点にあり、しかも跳躍に必要な脚力がない幼児でも容易に跳べることから、支えのない空中経験が得られることが利点であるとされています。

 しかし、トランポリン運動が優れている点は、それだけではありません。

 以前、トランポリン運動の宙返りでは、体軸平行運動と左右軸回りの回転運動の2つで行われるが、器械体操運動(床運動)では同じ宙返りでもその2つに加えて前後軸平行運動が合わさった3つの運動組み合わせになると書きました。この点は非常に重要です。

 もう1つ重要な点は、水泳やトランポリン運動は基本動作が体軸平行運動であり他の多くのスポーツは前後軸と左右軸の平行運動の2つの組み合わせであるということです。

 トランポリン運動の特徴は、回転運動と平行運動の組み合わせ数が、他の運動より少ないという点にあります。つまりシンプルなのです。

 小さな子供は、複雑な動きができません。できるだけ単純な動作を経験させ、徐々にその組み合わせにより複雑な運動へと導いていくことがこどもの素養づくりに対しては重要です。つまり、動作がシンプルな運動から始めて、徐々に複雑な動きを経験させていくことが非常に役立ちますので、動作がシンプルなトランポリン運動は、運動初期のトレーニングに非常に役立ちます。それに加えて、トランポリン・エアリアルトレーニングでは簡単な動作から複雑な動作へと段階練習をするようになっていますので、非常に良質なこどもの素養づくりトレーニングであるといえます。

2013年

10月

31日

3つの運動 その4 総括1

 軸と重心から考えて運動を解説してきましたが、最後にトランポリン運動の特徴とトランポリン・エアリアルトレーニングの特筆を説明しておきます。

 まず、前回トランポリン運動ではねじれ運動は行わないと書きました。つまりトランポリン・エアリアルトレーニングをうけてもねじれ運動は鍛えられません。つまりトランポリンは万能ではないのです。もっとわかりやすい例で言えば、水泳において最も基本的克つ絶対習得しなければならない技術として、水中で目を開けるというものがあります。トランポリンを使ってこの技術を習得することはできません。つまり、トランポリン・エアリアルトレーニングがどんなに優れていても、できないことがあると言うことを知っておく必要があります。そしてトランポリン・エアリアルトレーニングに不足している運動については、他のものを用いてトレーニングをする必要があるということです。

 それを理解して、他の道具を用いたトレーニングと組み合わせてトレーニングを行えばよりこどもの素養づくりは行えますので、トランポリン・エアリアルトレーニングの限界を知っておくことは非常に重要です。