2012年

11月

16日

こどもの素養づくりとは

 10歳ぐらいから、第2次成長期ぐらいの年代をゴールデンエイジと呼びます。この時期にスポーツ技術を身につけることが、よいスポーツ選手となるといわれています。この前の年代は、特定のスポーツの技術を身につけるよりも、さまざまな動きを経験させることが大事と言われています。この時期をプレゴールデンエイジと呼び、この時期にさまざまな運動を経験させておくと、将来さまざまな運動に必要な複雑な動作の基礎作りができると言われています。こどもの素養づくりとは、このプレゴールデンエイジに様々運動を経験させ、こどもの運動神経や調整能力の発達に貢献し、様々なスポーツに適用できる能力を提供することです。

 

2012年

11月

21日

トランポリンの子どもの素養づくりの利点

 こどもの素養づくりにはプレゴールデンエイジといわれる10歳程度までに様々な運動経験を積ませることです。トランポリン以外のスポーツでもこどもの素養づくりを考慮したトレーニングは行われています。トランポリンを使ったエアリアルトレーニングが優れている点は、空中でさまざまな運動を経験させることができるところにあります。

 ところで、この年代は、まだ筋力が十分ではなく、空中バランス能力を養うための跳躍力がありません。つまり他のスポーツではもっと成長し、脚力・跳躍力が備わってからでなければ経験させることができない、空中でのさまざまな運動経験、プレゴールデンエイジの段階で経験させることができるのが、トランポリン・エアリアルトレーニングの利点です。

 

2012年

11月

28日

トランポリンで運動を経験させるということは

 イメージトレーニングというトレーニング方法があります。実際身体を動かさないでも頭の中にイメージを作ることにより、動きをスムーズにするトレーニングです。なぜ実際身体を動かさないでも効果が出るのでしょうか?

 実際身体を動かしているのは、筋肉ですが、筋肉に指令を出しているのは脳です。どういう動作をするかを考え、指令を出すのが脳で、その指令を受け取り実際動かすのが筋肉です。つまりイメージトレーニングとは脳が効率よく指令を出すためのトレーニングです。

乳幼児は何回も失敗して経験を積むことにより動作を身につけていきますが、年齢とともに、あまたで理解して動作を身につけることができるようになります。幼児期~児童期の運動トレーニングは、徐々に経験便りから理解力へと比重を移していく時代でもあります。

だから、徐々に脳を鍛える必要があります。どういう動作をするか、言葉や視覚を通じて理解させ、筋肉に指令を出せるようにするのが、まず第一歩です。そして指令を受け取った筋肉が指令通りに動くようにするのが、二歩めです。

 日常生活でも子供はさまざまな運動経験をします。ところで、トランポリンで行う運動はかなり非日常的な運動ですので、日常生活であまり経験したことのない運動が多くなります。そのため、まず指令を出す脳を鍛え、それに応じて筋肉を動かす事になります。トレーニングとしては、非常に新しい刺激を与えることができます。

 

2012年

11月

30日

スキャモンの発達・発育曲線

 ゴールデンエイジ・プレゴールデンエイジという話をしてきましたが、この年代ではどんな違いがあるのでしょうか?どうして、トレーニングの方法が年代によって異なるのでしょうか?さまざまな運動経験を積ませるよりも、むしろ小さい頃から専門的な英才教育を施し他方が優秀な選手を作れるのではないでしょうか?

 年代別にトレーニング法を変えるという考えの基礎となったデータがあります。いろいろな研究成果があるようですが、最も古くから知られて、多くの研究のベースとなったもの、それがスキャモンの発達・発育曲線です。

 

2012年

12月

05日

スキャモンって何?

 前回スキャモンの発達・発育曲線が元となって年代別トレーニングという考えができたと言うことを書きました。では、スキャモンって何でしょうか?

 スキャモンというのは人の名前です。スキャモンという人が発表したデータが、スキャモンの発達・発育曲線といわれるデータです。

 スキャモンRichard Everingham Scammonとは、アメリカの医学者・人類学者で、1928年にスキャモンの発達・発育曲線という研究成果を発表しています。この研究成果はかなり有名なのですが、研究成果が有名な割にスキャモンという人がどんな人かはあまり知られていません。というか、スキャモンの発達・発育曲線の出典がなんなのかさえあまり知られていません。

 たとえば、塩野 著「子どものトランポリン運動 エアリアル・トレーニング」(道和書院)にスキャモンの発達・発育曲線は掲載されていますが、出典は書かれていません。日本サッカー協会の「キッズ指導ガイドライン」にものっていますが、「スキャモン、1930年」と書かれているだけで、この図の作成者がスキャモンであることとと1930年に発表されたものであることはわかりますが、出典がはっきりわかりません。日本体育協会のスポーツリーダー向けのテキストにも掲載されていますが、こちらの出典は「からだの発達 -身体発達学へのアプローチ-」(大修館書店)と孫引きの引用となっていてスキャモンの成果であることもわかりません。

孫引きされている「からだの発達 -身体発達学へのアプローチ-」によれば、出典は、1930年に出版された「The measurement of the body in childhood.」だそうです。

というわけで原典がはっきりしない状態で研究成果が一人歩きしているのがスキャモンの発達・発育曲線です。出典がはっきりしてはいませんが、このほかにも水泳のシンクロ競技の育成に関する文献でも掲載されていましたし、探せば他の多くの資料にも見つかるものと思われます。このことからわかるように非常に多くのスポーツ分野で利用されている研究成果でもあります。

 

2012年

12月

07日

スキャモンの発育・発達曲線とは

 スキャモンの研究成果によると、人間の身体の成長は、一定ではなく、身体の部位・機能ごとに異なるそうです。スキャモンの発達・発育曲線とは、横軸に年齢、縦軸に20歳(ほぼ成長が完了する年)を基準にした成長具合を%表示したものです。曲線とあるように人間の身体の成長は一定(一直線)ではなく、曲線で示されています。

 つまり、年齢によって成長が著しい時期、あまり成長しない時期があります。その上スキャモンの研究では、人間の身体を4つに区分してそれぞれの成長の具合が、異なることも示されています。

 4つの区分は、一般型(全身型ともいう)、神経型、リンパ系型、性器系型です。

 一般型は、身長などの全身形態、呼吸器・消化器・腎臓、血管系、骨格系、血液量などが当てはまり、体全体の発育に関する物です。

 リンパ系型には、胸腺・リンパ節・扁桃・腸管リンパ組織が含まれます。リンパ系型の発育は、感染症に抵抗する免疫力と関係します。

 神経型には、脳・脊髄・眼球などが当てはまり、6歳で成人のおよそ90%、7歳までに成人のおよそ95%の大きさになります。

 生殖型は、性別により異なる器官に関する物で、一次性徴と二次性徴の2階級成長する機会があります。

 

2012年

12月

14日

発育と発達

 スキャモンの曲線は、発育曲線と呼ばれたり、発達曲線と呼ばれています。発育と発達はよく似た言葉ですが、「からだの発達 -身体発達学へのアプローチ-」によれば、発育とは肉体の成長を指す用語であり、発達とは肉体機能の向上を指す用語として区別して使うことが多いようです。

 スキャモンの研究はあくまで身体の成長具合についての研究ですので、発育曲線というのが正しいように思われます。しかし、検索した範囲では、そのような統一性はなく、発育・発達両方とも使われているようですので、スキャモンの発育・発達曲線として書いていこうと思います。

 

2013年

1月

11日

文部科学省

 文部科学省から「多様な動きを作る運動(遊び)」というパンフレットが出ています。このパンフレットはこどもの生活環境が変化したために作られました。こどもの生活環境というのはこどもの遊びの変化です。身体を動かす遊びが減ったことにより、かつて日常的に行われていたこどもの遊びの中で自然に身に付いていた「多様な動き」が、現代のこどもには失われているために、学校教育で「多様な動きを作る運動(遊び)」というのを取り入れらざるをえなくなったようです。

 また、このパンフレットには以下のような記述があります。

「小学校の低学年・中学年においては、脳・神経系が急激に発達します。そのため、この時期は、見る、聞く、触れて間実などさまざまな感覚を働かせたり、手や足をはじめとする多くの運動器官を動かしたりしながら、体のバランスをとって運動すること、いろいろな方向に移動すること、用具など脳時にタイミングよく反応すること、力のいれ具合を調整することなど基本的な動きを習得することに適しています。」

 つまり、小学校の低学年・中学年における脳・神経系の発育時期に基本的な動きの習得を推奨しています。

 次に、以下のような記述もあります。

 「低学年・中学年においては、体力を高めることを直接の目的として行うのではなく、楽しく運動しながら、体の基本的な動きを身につけることが重要です。そのことによって、動きの感覚が磨かれ、動きのこつをつかみやすくなります。このように、この時期に基本的な動きを身につけることは、将来的な体力の向上や様々なスポーツの技能を習得しやすくすることつながります。」

 つまり、この時期は体力づくりよりも感覚を磨く、動きのコツをつかむための運動が重要であり、楽しく運動させることが必要と言うことです。

 

2013年

1月

25日

日本体育協会1

 日本体育協会のスポーツリーダー養成テキストによれば、成長過程において、課題となる動きを「吸収しやすい時期」と「吸収しにくい時期」があり、その時期を適切に把握して指導することにより、最終的に大きな成長を望むことができるとしています。

 5,6歳~8歳頃にかけてを「プレ・ゴールデンエイジ」、9歳から12歳を「ゴールデンエイジ」と呼び、「スポーツの基礎作り」から「様々な技術を獲得するもっと重要な時期」としている。そしてこの時期にスポーツ指導を誤ると、スポーツへの興味を失ったり、大きく育てていくための土台を失わせてしまうとしています。

 

2013年

2月

01日

日本体育協会2

 前回書いたように、日本体育協会のスポーツリーダー養成テキストによれば、5,6歳~8歳頃にかけてを「プレ・ゴールデンエイジ」といいます。「プレ・ゴールデンエイジ」は人間の成長の中で一度だけ訪れる神経系の発達が著しく見られる時期とされています。

 この時期には、脳の中や身体の中の神経回路が様々な形で張り巡らされていくことが行われています。この時期の特徴として、「運動浪費」、「随伴動作」、「運動衝動」というのが見られると言うことです。

 「運動浪費」とは、この時期に張り巡らされていく神経経路が、その運動に関係する回路だけを用いるのだけではなく、関係ない回路まで刺激して、目的に合わない動作をしてしまう現象です。さらに余分な動作をしてしまうことを「随伴動作」といいます。また多種多様な刺激を求めるため、集中力がなく次々興味が移っていき、動いていないと気が済まない状態(「運動衝動」)になるのがこの時期の特徴だそうです。

 つまりこの時期には、多種多様な刺激を与えるようなトレーニングが神経回路の成長に合ったトレーニングといえます。この時期に反復練習をすれば特定の動きが非常にうまくなることは可能ですが、この時期に多種多様な動作に関する経験を積まさないと、型にはまった運動しかできなくなり、将来複雑な動きを必要とする運動に対応する適応能力が失われてしまうということです。

 そこで、この年齢段階では、スポーツそのものの技術にこだわることなく、様々な遊びを導入して、多種多様な動作を経験させることが必要となっています。

 

2013年

2月

08日

日本体育協会3

 前回に続き、今回は9歳から12歳頃の年代、「ゴールデンエイジ」の特徴です。この時期になると「プレ・ゴールデンエイジ」でみられた「運動浪費」や「運動衝動」が消えて目的に合わせて、動きの目的に合わせて身体全身及び各部分をコントロールできるようになり、さらに他者やものの操作や、操作を行う前に行われる動きの先取りもできるようです。そしてこの時期の重要な特徴として、「即座の習得」というのが起こるそうです。

 「即座の習得」というのは、何度か見ただけで新しい動きをすぐに身につけられる能力です。ただし、この「即座の習得」は、「プレ・ゴールデンエイジ」における基本的な動きの習得がなされていることが大きな前提となっているそうです。つまり、「プレ・ゴールデンエイジ」で基本動作の習得を行っておかなければ、「即座の習得」は発現しないと言うこであり、「プレ・ゴールデンエイジ」における基本動作の習得が非常に重要であると言うことです。

 「ゴールデンエイジ」では、スポーツに関わる多くの動きが覚えられる時期で、この時期に覚えた動きは一生忘れることがないと言われているそうです。「ゴールデンエイジ」スポーツに関わる動きを覚えるには最適な時期であり、この時期の運動が、その後のスポーツ活動での成功に大きく影響するとされています。

 またこの時期は、「プレ・ゴールデンエイジ」で習得した基本的な動きを基礎としながら、専門スポーツ種目への準備期間と考えられ、特定のスポーツ種目だけを行うよりも、幅広く運動経験を積むためにも様々なスポーツ種目を経験しておくことが重要であるとされています。

 ただし、「体操競技やフィギュアスケート、卓球といった種目などでは、全面的な基礎を養成した上で他の種目よりも若干早い段階での「時期を得た専門化」がされていることになるとありますので、トランポリンにおいてもこの時期に専門化がなされるのがよいと思われます。

 13歳以上の年代についても同テキストに書かれていますが、割愛しますので、興味のある方は、日本体育協会のスポーツリーダー養成テキストをご覧下さい。なお、テキストはスポーツ少年団用と一般用(NHK学園の通信講座)など何種類かあるようです。

 

2013年

2月

15日

福島大学 白石豊教授

 福島大学 白石豊教授著「運動神経がよくなる本」によれば、運動神経をよくするチャンスは3回あるのだそうです。

 まず最初のチャンスは1歳から6歳の間だそうです。この期間にひとは、基本運動形態をすべて習得し、小学校に上がる前にパワーや精度は劣り、ぎごちなさはあるものの大人と同じ動きを習得するのだそうです。

 2回目のチャンスは、10歳から12歳だそうです。この時期こそ一番運動神経が発達し、数回見ただけで同じ動きができるようになる「即座の習得」が発現する時期です。この時期に適切な指導を受け、技術を習得しなければ、トップ選手となるのは困難になるようです。

 3回目のチャンスは16歳から22歳だそうです。この時期の前にある中学生の時期は体の成長が著しく、一時定期に運動機能が低下することもある停滞期になるそうですが、その停滞期を乗り越え、3回目のチャンスまで続けられれば、今度は成人としてのハイレベルな運動ができる時期になるということです。なお、個人的な見解として中学校の停滞期はちょうど蝶が芋虫からさなぎを経て大きく成長するように、さなぎに相当する年代なのだと思います。つまりこの時期にも蓄えるべき物はあると思います。

 さて、2回目と3回目の間の中学生の年代は停滞期と説明しましたが、1回目と2回目の間の7歳から9歳の3年間はそれまでに比べて神経系の発達が緩やかになる時期です。この時期は6歳までに揃った基本形態の精度を上げるために必要な時期で、運動神経の発達の停滞する時期ですが、10歳以降に比べればまた神経系の発達が大きい時期ですので、第1回目のチャンスを逃した場合この段階で運動の基本形態の修正することが可能な時期となっているようです。

 また、2回目のチャンスに発現される「即座の習得」も、それ以前の時期に基本形態を習得していることがあって初めて発現されるものと考えられており、第1回目のチャンス(6歳以下)かそれに続く修正期(7歳から9歳)に基本形態を習得しておくことが最終的に運動神経のよくする一番大事な時期となっているようです。

 

2013年

2月

22日

日本サッカー協会

 日本サッカー協会のキッズ指導ガイドラインではU-6,U-8,U-10等と2歳ごとに年齢区分を行って指導するようになっています。

 サッカー協会のガイドラインでは、「まず好きになってもらうこと」が大切とされています。そして、発達に関しては「個人差が大きい」ことを頭に置いて、年齢区分を2歳ごとに以下のように区切っています。

 U-6 遊びの時代

 U-8 学校生活の始まり

 U-10 本格的な思考力の発達

 U-12 ゴールデンエイジ

 

 U-6では以下の特徴があるとされています。

 1)他人の立場で物事を考えることができない

 2)自分で身体を動かしたり、物事に触れたりしてながら考える

 3)好奇心旺盛で一つの物事への集中が続かない。

 この年代では、集中力が維持できないので、1つの運動ではなく、いろいろな運動をすることが興味をそそり、そのいろいろな運動により発達が促進されると言うことです。好奇心に駆り立てられる自発的な活動を思う存分させることが大切となっています。

 

 U-8では以下の特徴があるとされています。

 1)家族中心から行動抑制が多い学校生活(集団生活)への変化

 2)運動への悦び、無頓着、何の疑問もなく知識や能力が身に付けられる

 3)自己中心から相手の立場に立った思考、大人の考え方を学び始める

 この時代は、成功や失敗を繰り返すことが必要です。また基本動作の獲得することに適しているので、複雑な動作よりも、単純だけれど、子どもの興味をそそる課題を与え、多様な動きづくりをする時期としています。

 

 U-10では以下の特徴があるとされています。

 1)筋道を立てて推論する本格的な思考力の発達がみられる

 2)集団活動ができ特に子ども集団への所属欲求が大きい

 3)待つ、我慢するができるようになる。

 4)多面的な運動経験を通してのコーディネーションの習得の時期

 

 U-12では以下の特徴があるとされています。

 1)客観性の強い論理的思考が支配的になり、言語による抽象的で論理的な思考ができるようになる。

 2)仲間との集団活動が活発になり、社会性が発達する

 3)これまでに習得した様々な運動経験を元に、「即座の習得」を備えた動作習得、運動テクニックマスターに最も適した時期

 

2013年

3月

01日

「保育と幼児期の運動遊び」

 岩崎洋子編集、吉田伊津美、朴淳香、鈴木康弘著「保育と幼児期の運動遊び」では、スキャモンの発達・発育曲線を引用して、体型に関係している一般型は「幼児期に急激に発育するが、その後ゆっくりとなり、12歳以降に再び発育のスピードを速める」、「神経型は発育が早い時期から進み、6歳までに成人の90%に達する」としています。そして、「身体の各器官の中では、神経型が幼児期の運動に深く関係しており、運動を上手に行ったり、調整したりすることは神経型の器官の発育が基盤となっている。神経型の発育が6歳で成人の90%程度に達するために、幼児期ですでに大人と同じようなレパートリーの80数種類という多様な動きを獲得できる」としてます。

運動機能の獲得段階として

1)基礎的運動の技能の獲得段階(乳児期)

乳児期に反射運動から、随意運動に切り替わり、寝返りによる姿勢変化、はいはい・歩行といった移動運動、興味のあるものへ手を伸ばし、引き寄せるなど把握運動・操作的な運動が芽生える。これらが基礎的な運動機能を獲得する段階としています。

2)基本運動技能獲得段階(2歳~6歳)

2歳頃から基礎的な運動機能を基盤として、人間の生活に見られる運動の基本が未熟な段階のものからスムーズに動ける段階のものへと出現し、6歳までには成人が日常生活で使う動き(基本運動技能)のほとんどを獲得する。

3)スポーツ・仕事・日常生活・表現にふさわしい運動技能獲得期(7歳以降)

 「基礎的な運動技能」を基盤として「基本運動機能」があり、その積み重ねの上にスポーツ・ゲーム的活動の機能、日常生活・仕事の機能、表現の機能があり、これらの運動の獲得は7歳以降にみられる。

上記の段階中、「基本運動技能の獲得段階で、幅広く十分内運動経験が可能な環境を整えることが必要である」としています

 

2013年

3月

08日

福島県郡山市の小児科医

 関連する内容が偶然にも昨日の(2013年3月7日の)朝日新聞に載っていましたので、紹介しておきます。

 文部科学省の調査によると東日本大震災とそれに伴う原発事故の影響で、屋外で遊ぶことが難しい福島県の子どもが太り気味になっているそうです。それを受けて大型屋内遊び場を展開している福島県郡山市の小児科医 菊地信太郎氏へのインタビューをしたものです(そとで遊べない子どもたち)。

 菊地医師によると「運動能力がもっとも養われるのは9~15歳、プレゴールデンエージとも呼ばれる年齢ですが、基礎体力がつかないままその年齢に達しても運動能力はつきません。年齢ごとに身につけなければならない体力や運動能力があるのです。後からつけようとしても、不可能か、2倍、3倍の時間と努力が必要です。」とあります。

 おおよそ今まで紹介した内容と同じですが、スポーツ界だけではなく、発達・発達に応じて必要な運動経験が必要であることを医師も認めているということで、紹介しておきました。

 なお、この記事中には発育に応じたもの以外にも、指導に携わるものとして、一度読んでおいた方がよいことがたくさん書かれていますので、一読してみるとよいと思います。

 

2013年

3月

15日

日本トランポリン協会

 日本トランポリン協会副会長の塩野尚文著「子どものトランポリン運動 -エアリアル・トレーニング」(普及元年以前の普及指導員講習のサブテキストとして利用されていた)では、生まれた時は、どんな子どもも、自分の身体をあやつる能力はほとんどない。身体を操る能力の大半は遺伝的な物ではなく後天的な物としています。そしてスキャモンの発達・発育曲線から、その能力は10歳頃までにほぼ90%が大成してしまうと述べています。つまり、鈍い・鈍くないは生後10年間に如何に広範囲な動きを量的に多く経験したかによって決まる物としています。

  また、日本トランポリン協会の「スポーツの素養づくり 子どものトランポリン運動練習記帳」(いわゆるバッジテスト練習帳)によれば、「運動に関与する神経系の最も旺盛な発達を示すのは小学低学年期だと言われていますが、その時代には、まだ自分で空中を作り出すだけのジャンプ力を持ち合わせてはいません。従って、その頃にトランポリンによって、幅広い空中動作を身体で覚えておく事は、将来のスポーツ活動に大変意義を持ちます。」としています。

 さらに、日本トランポリン協会の普及指導員講習テキストでは以下のようにも続いています。「特に球技系のどのスポーツも高度化し、空中戦に移行しており、小学校の低学年期にトランポリン運動を通して、空中で自分の身体やボールを操る能力を身につけておけば、将来の選手活動に大変有利となる」

 具体的には、バッジテストにより空中動作を経験させ、その経験によって習得した動作(種目)を使ったシャトルゲームを行い、また球技スポーツを想定し、移動空間でボールを受けたり・投げたりすることを体験させるとなっています。

 

2013年

3月

22日

日本トランポリン協会(2)

 日本トランポリン協会では幼少期に必要な様々な運動経験を積ませるために、「トランポリン・エアリアルトレーニング」というトレーニングプログラムを提供しています。このプログラムには単に運動経験を積ませて、子どもの素養づくりを行うというだけではなく、トレーニングの目的を「将来、スポーツ好きな人間に育つためにおこなう」として、運動嫌い子どもに対しても積極的に行うことを推奨しています。

 さらに練習目標として、「楽しく、能率は二の次」、対象を児童全員としています。そして指導上の留意点として、「条件反射ができるまで反復しない」として、幼少期に経験させておくべき基本的な動作の習得をさせるための専用プログラムとして作られています。

 このように、特定のスポーツ種目の選手育成のために、いわゆる「プレ・ゴールデンエイジ」に行わせる基本動作習得プログラムは他にもあるかも知れませんが、トランポリンを使ってトランポリン以外のスポーツ種目の選手を前提としたプログラムをトランポリン協会が策定しているところが、非常に突出したものであるといえると思います。

 

2013年

3月

29日

発育の年齢区分の総括

 日本トランポリン協会のエアリアルトレーニングは10歳以下の全児童を対象としています。この年齢は「プレ・ゴールデンエイジ」と呼ばれる年代以下の年代です。そこで、この年代について今まで取り上げてきた既往の資料を整理してみます。

 文部科学省:小学校低学年・中学年を1つの区分としている

  日本体育協会:5・6歳から8歳をプレゴールデンエイジ、9歳から12歳をゴールデンエイジとしている。

 福島大学 白石豊教授:1歳から6歳を第1のチャンス、7歳から9歳を第1のチャンスの修正期、9歳から12歳を第2のチャンス、13歳から15歳を停滞期、16歳から22歳を第3のチャンスとしています。

 日本サッカー協会: U-6 遊びの時代、U-8 学校生活の始まり、 U-10 本格的な思考力の発達、U-12 ゴールデンエイジとしています。

 「保育と幼児期の運動遊び」では6歳までに成人の90%までに運動に深く関係する神経系の器官が発達し、このときまでに80数種の運動レパートリーを獲得できるとしています。

日本トランポリン協会:10歳までを神経系が発達する時期とし、トランポリンエアリアルトレーニングの適用年齢としています。

 

 以上見ていくと、白石教授の区分がもっと細かく区分されています。他の資料ではチャンスとされている7歳から9歳をあまり成長が見込まれないとしている点は非常に興味深いです。また「保育と幼児期の運動遊び」でも6歳までの幼児期に80数種の運動レパートリーを獲得できるとしていますので、この時期に多種多様な運動レパートリーを経験させておくことは必要と考えられます。

 逆に言うとこの時期には、特定のスポーツに専門化するのは、よくないといえます。

 

2013年

4月

11日

発育の年齢区分に対する私見

 前回、発育の年齢区分について整理した。ここで、筆者の経験に基づく年齢毎の私見というか感想を述べておくことにする。なお、ここでいう年齢はトランポリン・エアリアルトレーニングを開始すなわち自分の指導クラブに参加し始めた時の年齢区分である。

 年齢区分として、①未収園児~幼稚園年少、②年中、③年長~小学3年生、④小学2・3年生、⑤小学4年生以上の5区分を考えている。なお、中学生以上がないのは、中学生になってからトランポリンを始めるケースは希であり、データが少ないためである。

 ①未収園児~幼稚園年少:この時期は、基本動作はできても、基本動作の組み合わせが非常に苦手な時期である。逆に言うと単体の基本動作を習得するのに適した時期だと思う。

 ②年中:基本動作もその組み合わせもできるが、連続動作が苦手である。連続動作が苦手なのは運動能力より知力というか記憶力がまだ乏しいためとおもわれる。基本動作の習得とのその簡単な組み合わせ動作を始めるのにはよい時期と思われる。

 ③年長~小学3年生:技術習得の速度の個人差がよく見られる。これは、トランポリントレーニングを開始する以前の基本動作の習得具合による差と考えられることから、この段階で既に基本動作の習得を開始済みであることが方がよいと思われる。「保育と幼児期の運動遊び」でも6歳までの幼児期に80数種の運動レパートリーを獲得できるとしていますので、できれば基本動作の習得はこの年代以前に行うことがよいと思われる。

 なお、習得速度の遅い生徒には、2つの基本動作を1つの動作として組み合わせることと、2つの連続動作として行うことの区別がつかないケースがよく見られる。年中以前のこどもはかなりの割合でこの2つの区別ができない子がいるが、成長とともに徐々に区別ができるようになる。しかし、年長~小学生の年代でトランポリンを始めて、その年代でこの区別ができない子は、大きくなってもしばしば動作の違いを理解し実施することに苦戦することが多くみられる。このことから、動作の違いを区別する能力は5歳ぐらいまで身につける必要があるのではないかと思う。つまりトランポリンの連続運動のような運動は年中の年代までに経験させておくことが望ましいと考えている。

 ④小学2・3年生:この年齢になると理解力があり、基本動作が既に習得している子が多いことから、おおむね上達速度は速いことが多い。特に女子はその傾向が高い。この時期は基本動作習得のラストスパートの時期と思われる。

 ⑤小学4年生以上:この時期にトランポリンを始める子は、どちらかというと他のスポーツをしたことのない子、苦手な子が多い。ただし、トランポリンを楽しいと感じて継続することも多い。この時期なら、まだ成長期以前なので、まだ運動機能向上が可能であり、トップアスリートになるのは無理としても、運動嫌いをなくし、運動を始めるきっかけ作りとしてトランポリンは推奨できる。

 

2013年

4月

18日

発育に応じた運動とトランポリントレーニング

 日本体育協会によれば、プレゴールデンエイジでは、「スポーツそのものの技術にこだわることなく、様々な遊びを導入して、多種多様な動作を経験させることが必要となっています。」とあります。

しかし、文部科学省の「多様な動きを作る運動(遊び)」によると、身体を動かす遊びが減ったことにより、かつて日常的に行われていたこどもの遊びの中で自然に身に付いていた「多様な動き」が、現代のこどもには失われているそうです。逆をいえば、かつて日常的に行われた子どもの遊びの環境があれば、わざわざ「多様な動きを作る運動(遊び)」を指導する必要はないということです。つまりかつてあったような子どもの遊び環境を整えられれば、発育に応じたトレーニングを意図的に行う必要なかったということになります。そして、「多様な動きを作る運動(遊び)」ができる環境やそれを取り入れたトレーニングに取り入れるならば、どんなスポーツでもよく、わざわざトランポリンを用いる必要はないともいえます。

 ところで、トランポリンによる跳躍は日常的になかなかできない空中での運動を経験させることができます。つまり、昔も今も、他のスポーツでもなかなか経験できない運動を経験させることができるのです。かつて日常的に行われていた遊びに更にトランポリンという器具を用いたトレーニングを追加すれば、よりよい運動能力の開発が行われるとおもわれます。ここが、トランポリントレーニングが推奨される点です。

 

2013年

4月

25日

こどもの素養づくりに必要な運動

 こどもの素養づくり、つまり運動神経をよくするために必要な運動というのがあるのだそうです。どんな動きが必要かというと、いろいろなものが提案されています。

 たとえば、「運動神経をよくする」などのキーワードをamazonで検索してみればたくさんの本が紹介されます。ここでは、自分が見つけたいくつかの資料からそれらを紹介していきます。

 紹介するのは以下のものです。

 1.文部科学省

 2.日本体育協会

 3.山梨大学中村和彦教授

 4.石井学習塾 石井丈博代表

 5.「保育と幼児期の運動遊び」

 6.「エアリアル・トレーニング 子どものトランポリン運動」

 

2013年

5月

02日

文部科学省

  文部科学省から「多様な動きを作る運動(遊び)」というパンフレットが出ています。 このパンフレットでは、小学生低学年・中学年向けの「多様な動きを作る運動(遊び)」には大きく4つの運動(遊び)が示されています(高学年・中学生には5つ)。4つの運動遊びとは「身体のバランスを取る運動遊び」、「身体を移動する運動遊び」、「用具を操作する運動遊び」、「力試しの運動遊び」で、5つめとして「基本的な動きを組み合わせる運動」が取り上げられています。

 4つの基本的な運動遊びのうち、「身体のバランスを取る運動遊び」の内容として、「回る」、「寝ころぶ・起きる」、「座る・立つ」、「バランスを保つ」、「渡る」などの動きが、「身体を移動する運動遊び」として、「跳ぶ・跳ねる」、「登る・下りる」などの動き、「用具を操作する運動遊び」として、「用具をつかむ・持つ・おろす・回す・転がすなど」、「用具をくぐる・跳ぶ」、「用具を運ぶ」、「用具を投げる・捕る」、「用具に載る」などの動き、「力試しの運動遊び」としては、「人を押す・引く、力比べをする」、「人を運ぶ、支える」等の動きが紹介されており、それぞれについて具体的な運動・遊びの例が紹介されています。

 つまり大分類として4つ、小分類として14の基本動作があり、更にその発展系(5つ目)として組み合わせ運動があるということです。

 

2013年

5月

09日

日本体育協会

 日本体育協会のスポーツリーダー養成テキストによると、幼少期の基本となる体の動きとして、まず「自己の身体の操作」と「他者や物の操作」に大分類されています。「自己の身体の操作」は「姿勢の変化とバランスをとる」ことと、「ある場所に移動する」事の2つに分類され、「他者や物の操作」は「重さのあるものの移動」、「とったり、つかまえる動作」、「他への直接的な作用をする動作」の3分類されています。

 「他者や物の操作」の「「重さのあるものの移動」の例として、「かつぐ」、「ささえる」、「はこぶ」、「おろす」、「もつ」、「おぶう」等が紹介されています。

 「とったり、つかまえる動作」の例として、「とめる」、「つかむ」、「うける」、「いれる」、「わたす」等が挙げられています。

 「他への直接的な作用をする動作」の例は、「たたく」、「うつ」、「なげる」、「ける」、「たおす」、「ぶつかる」等です。

 「自己の身体の操作」の「姿勢の変化とバランスをとる」の例としては、「たつ」、「かがむ」、「ねころぶ」、「ころがる」、「わたる」などが挙げられています。

 「ある場所に移動する」は運動方向によって3つに分類されており、「上下方向」として、「のぼる」、「おりる」、「よじのぼる」、「すべりおりる」、「とびあがる」、「水平方向」として、「はう」、「あるく」、「はしる」、「とぶ」、「スキップ」、「ギャロップ」、「回転系」として、「かわす」、「もぐる」、「くぐる」、「かくれる」等があります。

 

2013年

5月

16日

山梨大学中村和彦教授

 山梨大学中村和彦教授著「運動神経がよくなる本」(マキノ出版)によれば、こどもの運動神経をよくさせるために取り入れさせることが必要な36の動作があるのだそうです。

 この36の動作を取り入れて作られたのが、NHKの「からだであそぼ」という番組だそうです。

 36の動作となっていますが整理すると「バランス系」、「移動系」、「操作系」の3つに分類できるようです。

 「バランス系」には「立つ」、「起きる」、「回る」、「組む」、「渡る」、「ぶら下がる」、「逆立ちする」、「乗る」、「浮く」の9つの動作、

 「移動系」には、「歩く」、「走る」、「跳ねる」、「滑る」、「跳ぶ」、「登る」、「はう」、「くぐる」、「泳ぐ」の9つの動作、

 「操作系」には、「持つ」、「支える」、「運ぶ」、「押す」、「押さえる」、「こぐ」、「つかむ・つかまる」、「当てる」、「捕る」、「渡す」、「積む」、「掘る」、「振る」、「投げる」、「打つ」、「蹴る」、「引く」、「倒す」の18の動作

 以上がこどもの運動神経をよくするために必要な36の動作だそうです。

 各動作の内容については、「運動神経がよくなる本」をご覧下さい

 

2013年

5月

23日

石井学習塾 石井丈博氏

 石井学習塾 代表 石井丈博著「運動嫌いを直せば、子供の 自信 やる気 持続力 は グングン 伸びる」によると、人の運動能力には7つの要素があるそうです。

 運動嫌いを直すには、まずこの7つの要素のうちどれでもよいので、そのこの中で最も得意な要素から始めて、子どものやる気を引き出し、他の要素も高めていくことで、全体的な運動の能力を高めることができるそうです。7つの要素とは、以下の7つです。

 1.定位置能力:自分の周囲の人や物との位置関係を正確に把握する力

 2.変換能力:動きを素早く切り替える力

 3.反応能力:合図や相手の動きに素早く反応する力

 4.連結能力:身体の動きをタイミングよく同調させる力

 5.識別能力:ボールなどの道具を巧みに扱う能力

 6.リズム能力:リズム翌身体を動かす力

 7.バランス能力:動作中の全身のバランスを保つ力

 各要素を高める方法など詳細については、「運動嫌いを直せば、子供の 自信 やる気 持続力 は グングン 伸びる」をご覧下さい。

 

2013年

6月

06日

「保育と幼児期の運動遊び」(2)

前回紹介した「保育と幼児期の運動遊び」では、「体育科学センター、幼カリキュラム小委、1980」の「基本的な動作と分類」を引用して、6歳までに獲得できる運動レパートリーとして84種類をあげています。この84種類は、以下の通りです。なお、この分類では先の3つのカテゴリーの下に動作内容として8分類、その下に84種類の動作を取り上げています。

1.安定性(姿勢制御運動)カテゴリー:動作内容1分類

1)「姿勢変化・平衡動作」:14種類

 「たつ・たちあがる」、「かがむ・しゃがむ」、「ねる・ねころぶ」、「まわる」、「ころがる」、「さかだちする」、「おきる・おきあがる」、「つみかさなる・くむ」、「のる」、「のりまわす」、「わたる」、「あるきわたる」、「ぶらさがる」、「うく」

2.移動(移動運動)カテゴリー:動作内容3分類

1)「上下動作」:9種類

 「のぼる」、「あがる・とびのる」、「とびつく」、「とびあがる」、「はいのぼる・よじのぼる」、「おりる」、「とびおりる」、「すべりおちる」、「とびこす」

2)「水平動作」:11種類

 「はう」、「およぐ」、「あるく」、「ふむ」、「すべる」、「はしる・かけっこする」、「スキップ・ホップする」、「2ステップ・ワルツする」、「ギャロップする」、「おう・おいかける」、「とぶ」

3)「回転動作」:7種類

 「かわす」、「かくれる」、「くぐる・くぐりぬける」、「もぐる」、「にげる・にげまわる」、「とまる」、「はいる・はいりこむ」

3.操作(操作運動)カテゴリー:動作内容4分類

1)「荷重動作」:13種類

 「かつぐ」、「ささえる」、「はこぶ・はこびいれる」、「もつ・もちあげる・もちかえる」、「あげる」、「うごかす」、「こぐ」、「おこす・ひっぱりおこす」、「おす・おしだす」、「おさる・おさえつける」、「つきおとす」、「なげおとす」、「おぶう・おぶさる」

2)「脱荷重操作」:5種類

 「おろす・かかえておろす」、「うかべる」、「おりる」、「もてれる」、「もたれかかる」

3)「捕捉動作」:12種類

 「つかむ・つかまえる」、「とめる」、「あてる・なげあてる・ぶつける」、「いれる・なげいれる」、「うける」、「うけとめる」、「わたす」、「ふる・ふりまわす」、「まわす」、「つかむ・つかみあげる」、「ころがす」、「ほる」

4)「攻撃的動作」:13種類

  「たたく」、「つく」、「うつ・うちあげる・うちとばす」、「わる」、「なげる・なげあげる」、「くずす」、「ける・けりとばす」、「たおす・おしたおす」、「しばる・しばりつける」、「あたる・ぶつかる」、「ひく・ひっぱる」、「ふりおとす」、「すもうをとる」

 

 

2013年

6月

13日

日本トランポリン協会エアリアルトレーニング

 日本トランポリン協会副会長だった塩野尚文著「子どものトランポリン運動 -エアリアル・トレーニング」では、神経系の発達の著しいよう少年期のエアリアル・トレーニングとして経験させておきたい動作として、以下の3つに分類しています。

 ①平面的な動き

 ②立体的な器具の上での動き

 ③空間での動き

 「将来のスポーツ活動に必要な広範囲な動作を偏ることなく与えるべきで、その中の空中動作の分野をトランポリンによって行わさせる」として、③の「空間での動き」を経験させる器具としてトランポリンが有効であるとしています。そして、そのトレーニング手法としてバッジテストを策定しています。

 なお、同書では、①~③についてそれぞれ、「自分の身体を操る能力」と「自分の身体を使って、他の者を操る能力」に細分類しています。そのうち①平面的な動きのうち、自分「自分の身体を操る能力」と③全体については、トランポリン・エアリアルトレーニングにより行えるとしています。つまり、①のうち、「自分の身体を使って、他の者を操る能力」と②全体は、トランポリン運動の適用外なので、トランポリン以外の方法により行う必要があるということであり、トランポリン以外の運動も経験させることが必要であることがわかります。トランポリンによるトレーニングは万能ではないということです。

 しかし、筋力が乏しく跳躍力のない幼少期においてあまり経験できない空間(つまり上下方向)の運動経験を、トランポリンなら簡単に積ますことができますので、③についてはトランポリンを使うことが最も有効なトレーニング方法であるとしています。