単元7 競技スポーツ・基礎レベルのコーチング

2014年

11月

26日

「単元7 競技スポーツ・基礎レベルのコーチング」-その1.概要

 改定前の単元7は、「スポーツの素養づくり子供のトランポリン運動」でしたが、改定後は、それは単元8になり、単元7は新たに追加された「競技スポーツ・基礎レベルのコーチング」になっています。この部分は完全に新規に追加されたものですので、改定前に普及指導員資格を取った人は、必ず読む必要があります。

 単元7は以下の章で構成されています。

1.トランポリン競技のファースト・コーチのあらまし

2.競技検定の段階練習表

3.練習の進め方

4.競技検定種目

5.競技検定の方法

6.指導上の留意点

7.参考資料

2014年

12月

03日

「単元7 競技スポーツ・基礎レベルのコーチング」-その2.ファースト・コーチ

 「1.トランポリン競技のファースト・コーチのあらまし」では、ファースト・コーチについての説明です。ここで注意すべきは“コーチ”となっていますが、これは日本協会公認の“コーチ”資格を意味するのではなく、一般的な用語としての“コーチ”つまり指導者を意味しています。ファースト・コーチとは最初にトランポリンを指導する指導者のことを意味しているのです。

 なお、ファースト・コーチは「トランポリンに慣れること、トランポリン運動を知ることを目的に、バッジテスト5級に挑戦してもらう」、「5級を終了する時点で、普及指導員は、個々の子どもと保護者に対して、トランポリン競技(レクリエーショントランポリンを含む)に進むのか、ボールトレーニングを含むエアリアル・トレーニング(バッジテスト)に進むのかを再確認する」となっています。

 つまり、普及指導員=ファースト・コーチです。またここで()書きになっているように子どものレクリエーショントランポリンはバッジテスト(エアリアル・トレーニング)ではなく、トランポリン競技の一部として扱うことになっています。改定前の教本の「はじめに」で書かれているようにレクリエーショントランポリンはトランポリン競技の裾野として位置づけられていますので。

2014年

12月

10日

「単元7 競技スポーツ・基礎レベルのコーチング」-その3. 競技検定の段階練習表

 「2.競技検定の段階練習表」では、新たに競技検定(宙返り含まない競技選手の指導)向けの段階練習表(競技検定段階練習表)が載っています。この段階練習表は段階練習表(普及版)やバッジテスト段階練習表と大きく異なっている点が2つあります。

 競技検定段階練習表はレクリエーション用の段階練習表(普及版)を簡略化したものです。レクレーション用は運動経験のない成人を対象にしていますので、細かい段階練習となっていますが、競技検定は競技選手を目指すような運動能力の高いものが対象となることから、段階を適宜省略しても大丈夫なので簡略化していますが、基本的に段階練習表(普及版)と同じ内容です。また、バッジテスト段階練習表のような連続練習中心の段階練習にはなっていません。しかし、その順番はかなり変わっています。それが1つ目です。もう1つの大きな違いは、指導法が各段階について記載されていることです。指導法は技の段階練習方法だけではなく技の完成度までについて記述されています。

 自分が気になるのは指導法に書かれている練習種目が、段階練習に入っていない点です。たとえば、「ローラー」の前段階として練習しておくべき「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち」、「スイブル」の基本となる「腰落ち-1/2捻り膝落ち」や「腰落ち-1/2捻り立つ」などは段階練習表に入っていません。

 以上の2点、つまり順番がかなり変わっていること、段階練習に無い種目が指導法に記載されていることから、段階練習表(普及版)やバッジテスト段階練習表とは異なり、この順番で練習させるという意味での段階練習表にはなっていないように思われます。むしろ、段階練習表となっていますが、この段階練習に沿って種目を練習させるのではなく、段階練習としては基本的に元となっている段階練習表(普及版)を参考にしながら、競技選手として最低限できなければならない種目とその完成度についてのチェックリストとしてこの表は利用するものであると考えています。

2014年

12月

24日

「単元7 競技スポーツ・基礎レベルのコーチング」-その5. 練習の進め方

 「3.練習の進め方」では、練習の進め方について書かれています。ここでは、段階練習表(普及版)の練習の進め方と基本的に同じであることが書かれています。「競技検定練習表の順に」と書かれていますが、前々回書いた様に、各種目をいきなりこの表の順番通りに実施させるのではなく、各種目の実施前には、普及版及び系列表を参考にして、必要な前段階の練習をさせる必要があると思います。

 「4.競技検定種目」、「5.競技検定の方法」については、新規でこのような種目をこのような方法で検定を行うという内容ですので、読めばいいだけです。特記すべきことはありません。

2015年

2月

05日

「単元7 競技スポーツ・基礎レベルのコーチング」-その6.指導上の留意点

 「6.指導上の留意点」は従前からあるバッジテストの指導と大きく異なった指導法をすることが書かれています。なお、この部分は、トランポリン以外のスポーツの基礎・素養づくりであるエアリアルトレーニング(バッジテスト・ボールトレーニング・シャトルゲーム)や障がい者指導には不要ですが、レクリエーション・トランポリンにも適用すべきですので、子どもだけではなく、社会人の指導に当たってもこの章を参考にして指導することが望ましいと思います。

 なお、練習回数については、競技検定は20回前後が一般的となっています。これに対してレクリエーショントランポリンやエアリアルトレーニングでは、20回を超えないことになっていますので、練習回数の制限が異なることに注意が必要です。