理屈で考えるトランポリン段階練習表(普及版)

 このコーナーはトランポリン段階練習表の構成について、「軸系列」と人間の「心理面」から理論的に考察していく事により、段階練習表の理解を深めることを目的に書いたブログです(2014/2/5)。

バックナンバー

 

はじめに

段階練習表1~10

段階練習表11~20

段階練習表21~30

 

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最新の記事

2016年

9月

09日

理屈でわかる段階練習表(最終回)

 以上説明してきたように、段階練習帳(普及版)は難度だけでなく、安全面や恐怖心を考慮して、順番が定められています。ある種目を行うには必要な種目がありますので、その関係をしっかり把握しておくことは重要です。

 しかし、いままで説明してきたように、ある種目をするのに直接関係のない種目があります。例を挙げると、例段階練習2「1/2捻り跳び」と段階練習3「腰落ち」、段階練習4「膝落ち」がそのような関係です。

 このように、段階練習の前にあっても関係のない種目もあります。逆をいえば、関係のある種目を把握して、だいぶ前に行った種目でも、ある種目にはいる前にもう1度練習させておいた方がよいといえます。つまり段階練習の順番通りに必ずしも行うのではなく、時にはとばして、時には前に戻って指導することも大事なのです。

 今回は、成人を対象とした段階練習帳(普及版)の解説でしたが、バッジテストの段階練習においてもこの普及版の順番がどうしてそうなっているかを考えると、非常に役立ちます。特に子供は転んで膝をすりむいたりして、「膝落ち」を使う練習ができないことがあります。このような場合「膝落ち」を用いる練習はできないことになります。どの種目が「膝落ち」を習得していなくても安全に行える種目かを把握していれば、先の種目を練習させることができます。このように、段階練習はなぜその順番になっているかを把握しておくことは非常に重要です。

 とういことで、長々と段階練習を解説してきましたが、自分は段階練習の作成に携わったわけではなく、普及指導員講習の内容を元に、自分で考えたものです。1つを除いてほとんど説明できたと思います。段階練習を深く分析してみてわかったのは非常によく考えられてできたものだということです。

 

2016年

8月

19日

段階練習30.1回捻り腰落ち(フルシート)-立つ(2)

 前回書いたように「腰落ち」の姿勢をとってからでは「捻り」ではなく「横回り」になってしまいます。だから「フルシート」では必ず種目の後半で「腰落ち」の姿勢を作る必要があります。そのため種目の組み合わせで考えると、「1回捻り跳び」+「腰落ち」か「1/2捻り跳び」+「1/2捻り腰落ち」となります。これらは軸が垂直である場合です。

 軸を少し傾けると「1/2捻り腹落ち」+「1/2捻り腰落ち」となります。

 「フルシートは」は「スイブル」同様に下半身だけを縦回転させる運動ですが、「1/2捻り腹落ち」+「1/2捻り腰落ち」の組み合わせで行う「フルシート」は、ちょうど「スイブル」の「前傾法」つまり、上半身を回転させることで種目を実施しやすくさせるのと同じで、上半身を傾けることで、縦回転を補助できるため、実施はしやすいようです。

 ただし、傾きの回転が強いと背中から落下しやすいので、段階練習29の「水平背落ち」で脚が水平よりあがらないように練習しておくことが望ましいです。

 なお、この方法を実施するには、当然段階練習25「1/2捻り腹落ち」も習得済みである必要があります。一見関係のない「1/2捻り腹落ち」ですが、「フルシート」を行うには必要な種目なのです。

 

2016年

7月

14日

段階練習30.1回捻り腰落ち(フルシート)-立つ(1)

 段階練習30「フルシート」は種目系列では、「腰落ち系」の「1回捻り腰落ち系」になります。当然、前段階として段階練習3の「腰落ち-立つ」と段階練習18の「1回捻り跳び」、段階練習17の「1/2捻り腰落ち」、段階練習28の「ローラー」は習得済みである必要があります。

 軸系列でいうと「フルシート」は「捻り」+「後方回転系」になります。

 「ローラー」の軸が水平なのに対して、この種目は「スイブル」同様に軸が垂直です。そのため、軸の傾きを行わないですむので、「ローラー」よりは簡単と感じる人が多い一方、落下高さがありますので、危険性は高い種目となっています。腰落ちから行う、つまり低いジャンプから1回ひねって「腰落ち」をすることを段階練習28「ローラー」で十分練習しておく必要があります。

 なお、足を出すタイミングが早いと、「捻り運動」ではなく「横回り運動」になり、減速して回転不足になりがちです。また、脚を上部に上げすぎると軸が傾き、背中から落下する危険性がありますので、注意が必要です。

2016年

7月

08日

余談9 普及版とバッジテスト

 段階練習法は現在競技検定向けと、子どもの素養づくり(バッジテストなど)のためのものと、本ブログで取り扱っている愛好者向けの普及版の3つがあります。

 競技検定向けには、各種目の実施レベル、完成度までが記載されています。これに対してバッジテスト用は連続練習が中心の練習法となっています。これはバッジテストがシャトルゲームをできるようにすることを目的にして作られているため、シャトルゲームを実施するのに必要な連続運動が多く盛り込まれていると考えられます。

 これに対して愛好者向けの普及版は対象を運動経験のない社会人が宙返りをできるようにするためにつくられたもので、より細かい段階練習を行うようになっています。また、競技検定の段階練習表とは異なり、完成度までは記載されていませんが、競技検定同様連続種目より個々の種目の練習が中心となっています。また、普及版にある連続練習は、先の種目に進むために必要な連続練習であり、その一部を省略すると高度な種目になるものであり、連続練習のための連続種目ではありません。

 なお、競技検定の段階練習表は愛好者向けの普及版を基礎にしており、運動能力に優れた競技者および子供の愛好者に対しては、個々の能力に応じて普及版の細かい段階練習を省略して指導することができるようになっており、重要な種目のみをリストアップし、その完成度をチェックするようになっています。その証拠にピルエット(1回捻り跳び)という本来習得しなければならない種目が競技検定の段階練習表には盛り込まれていません。これはローラー、フルシート(1回捻り腰落ち)などがきちんとできていれば、1回捻り跳びはできているはずなので、1回捻り跳び自体をチェックする必要がないからだと思われます。練習表にないからといって1回捻り跳びが不要なわけではありません。

 なお、競技検定用も普及版も個々の種目の段階練習が中心です。これは個々の種目の完成度(より高く、より美しく)を高めることが必要なためです。これに対してバッジテストはとりあえず連続でできることが大事という考えで作られており、トランポリン種目としての完成度を高めることを目的にしていないため連続練習中心となっています。

 このため、社会人を指導する際には、バッジテスト用ではなく、普及版を使用することになっていますが、実際問題として普及版を手にして練習している人は少ないようです。

 

2016年

7月

01日

余談8 背落ち

 段階練習表(普及版)は社会人を対象に、運動経験がない社会人でも宙返りができるように作られたものです。

 一方、普及指導員は60番まであるこの段階練習表(普及版)のうち、30番までを指導できることになっています。また本来普及指導員の指導範囲に背落ちを含むべきではないのですが、段階練習表の制定は普及指導員制度より古いため、この部分に背落ちが含まれてしまったようです。

 ただし普及指導員が指導できる背落ちはこの腰落ちからだけです。それ以外の状態からの背落ちは普及指導員は指導してはいけないものとなっています。

 また過去には普及指導員には1種と2種があり、1種は45番まで、2種は30番まで指導範囲になっており、普及指導員1種は背落ちが指導できました。ただし現在は普及指導員はかつての2種に絞られ、1種は廃止された状態であり、31番以降の種目はコーチでなければ指導できないことになっています。

 また、「腰落ち-水平背落ち」が段階練習表(普及版)の30番までにははいいていなければ、普及指導員は宙返りおよび背落ちは指導できないと言えるのですが、歴史的経緯のため普及指導員の指導範囲の中に例外的に「腰落ちからの背落ち」が含まれてしまっています。

 「腰落ち-水平背落ち」が段階練習の29番になっていることと、過去の普及指導員制度では背落ちが指導できるケースもあったこと、さらに、「宙返り」の指導はできないことを強調し過ぎたため、普及指導員が本質的に背落ちも指導できない種目であることの認識が薄れてしまったため、現在でも普及指導員は背落ちを指導しても構わないと勘違いしている指導者がいます。万が一普及指導員が背落ちを指導して事故を起こした場合は、普及指導員の指導範囲を守らなかったことが指導上の過失となる可能性は非常に高いです。非常に危険な誤解が世間に広まっているように感じます。

 

2016年

6月

24日

余談7 段階練習30番

 普及指導員の指導範囲に宙返りは含まれていません。そして一般に上半身の1/2以上の回転および「背落ち」もその指導範囲に含まれていません。しかし、段階練習27の「ドンキーキック」とこの段階練習29の「腰落ち-水平背落ち」は、例外的にそれらを行う種目です。しかしこれらの種目は普及指導員が指導する主な対象である「シャトル競技選手育成」や「バッジテスト」には全く関係ない種目です。つまり、主な指導範囲に関係ない種目がこの2種目であり、それらが普及指導員の指導範囲である段階練習30番までに含まれているのです。この意味は、段階練習帳(普及版)が最初からシャトル競技のために作られたものでなく、あくまで社会人がトランポリン競技を楽しめるように作られたものである証拠です。

 トランポリン競技の醍醐味である「宙返り」を行うための基礎を指導するのも普及指導員の指導範囲です。だからレクトラ指導はバッジテストと異なり、完成度つまり演技の出来映えを高めることも重要な指導範囲になっています。

 

2016年

6月

17日

段階練習29.腰落ち-水平背落ち(フラットバック)(2)

 段階練習29「腰落ち-水平背落ち」は軸系列では、「後方回転系」になります。これは上半身が後方に1/4倒れて水平状態になるためです。

 この種目をベースにして、段階練習31番以降の種目に進む方は、コーチの指導の元で「背落ち」種目の練習に入りますので、しっかりと「背落ち」の姿勢を作っておく必要があります。

 なお、「背落ち」の姿勢には「水平背落ち(伸び型背落ち)」の他、「海老型背落ち」もあります。この姿勢の場合「腰落ち」から実施すると下半身が約1/8後方回転することになりますので、回転量が大きい運動となり、勢いがつきすぎると頭部からの落下の危険性が高くなります。だから段階練習29ではわざわざ「水平背落ち」としています。下半身が回転しないように指導することが大切です。

 「腰落ち-水平背落ち」の動作に「1/2捻り」を加えたのが、以前解説した段階練習15の「腰落ち-1/2捻り腹落ち」です。「背落ち」は「ブラインドサイド」での着床ですので、恐怖感が強いため、先行して「1/2捻り」を加えた「腰落ち-1/2捻り腹落ち」を練習しておく必要があります。また段階練習28の「ローラー」も同様の種目で、「1回捻り」を付け加えて「腰落ち」の体制で着床する種目といえますので、段階練習28を先行して練習しておく必要もあります。これらの種目を通じて、腰を伸ばして水平に軸を作ることを覚えてから、「背落ち」に入るようになっているのです。

 

2016年

6月

03日

段階練習29.腰落ち-水平背落ち(フラットバック)(1)

 段階練習29「腰落ち-水平背落ち」は種目系列では、「背落ち系」で「クレイドル系」・「1回捻り背落ち系」両方に分類されています。「背落ち」の状態で着床する種目としては初めての種目です。なお、普及指導員の指導範囲では「背落ち」はこの「腰落ち」からの「背落ち」を除いてありません。「腰落ち」の姿勢から「背落ち」になるのは落下高さからあまり危険性がないため普及指導員の指導範囲に入っているようです。

 なお、「背落ち」が危険なのは、回転が多すぎると頭部からの落下の危険性が多いからです。「背落ち」は「ブラインドサイド」の回転となりますので、「オープンサイド」からおこなう「腹落ち」は、同じ1/4回転する種目であっても、安全性が高いので、普及指導員の指導範囲に入っています。万が一の場合は腕でカバーすることができるのもその一員と思われます。

2016年

5月

27日

段階練習28.腰落ち-1回捻り腰落ち(ローラー)-立つ(5)

 以前、段階練習28の「ローラー」は段階練習30の「フルシート」より難しいと感じる人が多いと書きました。

 これも軸の向きが影響しています。「フルシート」の軸は垂直軸ですので、立位の状態ですでに軸ができています。これに対して「ローラー」は軸をつくるため上半身を水平にしてからひねらなければならないので、難しくなっています。つまり技術的に難しいのが「ローラー」です。

 でも「腰落ち」姿勢から行う「ローラー」の方が、立位から行う「フルシート」より落下量が少ないので、その分安全です。だから、段階練習としては、先に行うことになっていると思われます。

2016年

5月

20日

段階練習28.腰落ち-1回捻り腰落ち(ローラー)-立つ(4)

 今回も「ローラー」と「スイブル」の比較です。「スイブル」の軸は「垂直軸」で「ローラー」の軸は「水平軸」であると書きました。この軸は主に上半身の軸です。つまり「スイブル」では「腰落ち」の姿勢ですでに垂直軸ができていますので、そのまま捻り運動にはいることができます。これに対して「ローラー」は「腰落ち」の姿勢から腰を伸ばして上半身を水平にしてからでないと軸ができません。軸ができない状態で「捻り」運動を始めてしまうと、横にトラベルますし、軸自体を作るのが難しいのでうまく「1回捻り」運動ができないのが、「ローラー」を難しくしている原因です。

 また、軸を水平にできない状態で行うと、下半身が横回りしやすく、回転不足で「スイブル」になってしまいます。これが「ローラー」の練習中に「スイブル」状態になってしまう原因です。また、軸を水平にできないということは、実際は上半身が「後方回転」していませんので、代わりに腰を伸ばすために下半身が「前方回転」するので、「スイブル」と同種の運動が始まるので、「スイブル」になってしまうのです。

 これを防ぐためには、段階練習15の「腰落ち-1/2捻り腹落ち」で腰を伸ばして水平軸を作ることを練習しておく必要があります。

 

2016年

5月

13日

段階練習28.腰落ち-1回捻り腰落ち(ローラー)-立つ(3)

 前回、段階練習28の「ローラー」は、「後方回転」-「前方回転」の前後回転が1種目中に切り替わる種目として、段階練習24「スイブル」がありますが、こちらは「前方回転」-「後方回転」となっており(「前傾法スイブル」をのぞく)、前後の順番が逆なだけではなく、大きな違いがあります。「スイブル」には前後回転と捻りの組み合わせが3種類ありましたが、「ローラー」には1つしかありません。横にトラベルするのは、「早捻り」が原因です。

 「スイブル」ではできる「早捻り」が「ローラー」ではできない原因は何でしょうか?それは、捻り軸の向きにあります。「スイブル」の軸は「垂直軸」で、「ローラー」の軸は「水平軸」です。軸が水平のため横に移動しやすいのです。水平軸を作るためには、腰を伸ばして水平状態にしてから捻りを行う必要があるため、「ローラー」は難しいものとなっています。

 

2016年

5月

06日

段階練習28.腰落ち-1回捻り腰落ち(ローラー)-立つ(2)

 段階練習28の「ローラー」は、軸系列からいうと「無回転系」+「ひねり系」です。わざわざ「無回転系」としているのは、実際は縦回転が行われているからです。

 「腰落ち」の姿勢は通常、上半身がほぼ垂直です。これに対して「ローラー」の最中の「ひねり軸」はやや傾いていますが、水平に近いものとなっています。つまり、「腰落ち」の姿勢から上半身が「後方回転」し、水平位置になっていると考えられます。実際は上半身を後方に倒すのではなく、腰を水平に伸ばすことによって水平になるのですが、軸から見ると「後方回転」しているように分類されます。しかし、着床するときは「腰落ち」姿勢に戻りますので、逆回転して「前方回転」していることになります。この運動の切り替えにより前後回転が相殺されているので、結果として「無回転系」になるのです。連続動作としては「後方回転」-「1回捻り」-「前方回転」となります。

 なお、前半の「後方回転」+「1/2捻り」は段階練習15の「腰落ち-1/2捻り腹落ち」と同じ運動なのは前回説明したとおりです。

2016年

4月

28日

段階練習28.腰落ち-1回捻り腰落ち(ローラー)-立つ(1)

 もっとも難しい種目といわれる段階練習28「腰落ち-ローラー-立つ」は、種目系列では「腰落ち系」の「1回捻り腰落ち系」です。同じ「1回ひねり腰落ち系」の種目でも立位からおこなう段階練習30「フルシート」よりも難しいと感じる人が多い種目です。

 この種目を始めるにあたっては、当然ながら段階練習3「腰落ち」、段階練習18「1回ひねり跳び」が完成していなければなりません。そのほか、段階練習9「よつんばい落ち-1/2捻り腰落ち-立つ」、段階練習14「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち」、段階練習15「腰落ち-1/2捻り腹落ち」、段階練習17「1/2捻り腰落ち」、段階練習24「スイブル」などが習得済みである必要があります。

 特に段階練習14と9を組み合わせて行う「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち-1/2捻り腰落ち-立つ」と段階練習15の「腰落ち-1/2捻り腹落ち」は完成させておく必要があります。段階練習14と9の組み合わせから「よつんばい落ち」を抜けば「ローラー」になりますし、段階練習15「腰落ち-1/2捻り腹落ち」は腰を伸ばしてひねるという運動が「ローラー」に入るのと全く同じ運動です。

 

2016年

4月

08日

段階練習27.膝落ち-倒立-膝落ち-倒立(ドンキーキック)

 段階練習27「膝落ち-倒立-膝落ち-倒立」はドンキーキックと呼ばれ、種目系列では、「回転系(前方系)」になります。軸系列では「膝落ち-倒立」は「前方回転系」、「倒立-膝落ち」は「後方回転系」となります。ただしこの種目は純粋に前方宙返りの前段階の練習です。

 なお、一般にトランポリンの跳躍による落下衝撃を支えられるほど腕は強くないので、バク転などのように腕でだけで体重を支える種目はトランポリンにはありませんが、膝落ちという高さが出ない状態から行うドンキーキックだけは、例外的にあります。また、普及指導員の指導範囲で上半身が180度回転するただ1つの種目です。つまり例外的な段階練習種目です。

 膝落ちの状態から、腰を引き上げる練習をするのがこのドンキーキックです。行き過ぎて背中から落ちないようにします。

 前段階としては、段階練習4の「膝落ち」、段階練習20の「膝落ち-腹落ち」を行っておく必要があります。また腕の振り込みについては、段階練習7の「抱え跳び」、段階練習16の「閉脚跳び」などで行っておく必要があります。また、段階練習26の「ターンテーブル」で腰の引き上げ動作を練習しておく必要があります。

 

 

2016年

3月

25日

段階練習26.腹落ち-1/2横まわり腹落ち(ターンテーブル)-立つ(3)

 「ターンテーブル」は「横回り」という特殊な運動を行います。これを立った姿勢で行えば、「側転」になりますので、様々な運動経験を積ませるために行われるエアリアルトレーニングに取り入れられる意味はありますが、他の種目への発展のない「ターンテーブル」が社会人のレクトラに取り入れられているのはなぜでしょうか?

 「ターンテーブル」を行う前に、前段階として習得しておくべき練習として段階練習7の「抱え跳び」があります。一般にターンテーブルは伸び型で行われることはなく、抱え込み型で行われます。抱えて伸びるという運動を垂直ではなく水平で行うのが「ターンテーブル」です。だから前段階として段階練習7の「抱え跳び」は必修種目です。

 この抱えて伸びるという運動は「抱え込み型宙返り」で欠かせない運動ですので、宙返りに入る前段階として、横回りによって練習しておくのが「ターンテーブル」です。つまり「抱え込み型宙返り」の前段階として「ターンテーブル」はあるのです。

 なお、「ターンテーブル」は「海老型」で実施することもできますので、「海老型宙返り」の基礎練習としても応用できます。

2016年

3月

18日

段階練習26.腹落ち-1/2横まわり腹落ち(ターンテーブル)-立つ(2)

 以前「余談5 3つのかかり」で解説したように、「腹落ち」は次に行う種目によってどこから落ちるかを変える必要があります。ターンテーブルは「臍がかり」つまり、フラットに落ちることが必要です。段階練習26「腹落ち-ターンテーブル-立つ」では「ターンテーブル」の後で「立つ」を行いますが、「立つ」を実施するには、「膝がかり」によって上半身に縦回転運動を発生させると容易になります。

 つまり最初の「腹落ち」は「ターンテーブル」につなげるため「臍がかり」、「ターンテーブル」での「腹落ち」は次に「立つ」ため「膝がかり」にするとやりやすくなります。すなわち、同じ腹から落ちるのであっても、最初と最後では落ち方を変える必要があるのです。

 また、安全の面から「腹落ち」は「膝がかり」からはいるのが推奨されている指導法ですが、この段階練習26では「臍がかり」で実施することも必要です。「臍がかり」での「腹落ち」は段階練習中、初出ですので、その点もあって「ターンテーブル」を実施するのは難度が高くなっています。

2016年

3月

11日

段階練習26.腹落ち-1/2横まわり腹落ち(ターンテーブル)-立つ(1)

 段階練習26「腹落ち-ターンテーブル-立つ」は、種目系列では「腹落ち系」となっています。軸系列では「ターンテーブル」は「横まわり系」です。段階練習には「横まわり系」はターンテーブル以外にありませんので、かなり特殊な種目です。回転角度が180度を一般的に「ターンテーブル」と呼びますが、回転角度を増やしていく以外に発展する種目がありません。

 この種目を実施するには、段階練習21の「腹落ち-立つ」、捻りと横回りの違いはありますが類似種目の段階練習25の「1/2捻り腹落ち-立つ」を先行して練習しておく必要があります。落下高さの面からいうと段階練習25の方が危険性が高いのですが、「ターンテーブル」は「横回り」という初出の種目のため、難度が非常に高いので後に配置されています。なお、段階練習にはありませんが、バッジテスト2級にある「腹落ち-腹落ち」のように、「腹落ち」を連続してできることが「ターンテーブル」を実施する段階で必要です。この部分は段階練習にかけていますので、注意が必要です。

2016年

2月

26日

段階練習25.1/2捻り腹落ち(ハーフフロント)-立つ

 段階練習25「1/2捻り腹落ち-立つ」は種目系列からいうと「背落ち系」の「1回捻り背落ち系」になっています。つまり「1回捻り背落ち」などの種目の前段階の練習として必要です。

 軸系列では、「前方回転系」と「ひねり系」となります。しかし「垂直跳び」の向きに対して背面側に倒れるので、種目系列では「後方回転系」に属する「背落ち系」となります。つまり、1/2捻りが加わると軸系列と種目系列では前後の関係が入れ替わることがあるのです。以前説明した「前傾法スイブル」でも同様のことが起きています。

 段階練習25「1/2捻り腹落ち-立つ」を練習する前には、段階練習2「1/2捻り跳び」、段階練習21「腹落ち-立つ」の他、段階練習15「腰落ち-1/2捻り腹落ち」も習得済みである必要があります。

 なお、種目系列では「1回捻り背落ち系」になっていますが、段階練習30番の「1回捻り腰落ち」の基礎種目ともなる種目です。

 

2016年

2月

19日

余談6 姿勢

 トランポリン競技をしているものなら常識ですが、宙返りを行う際には3つの姿勢があります。伸び型(伸身、レイアウト)、海老型(閉脚、パイク)、抱え込み型(タック)。バッジテストなどにある開脚姿勢というのはありません。

 宙返りを行う際に姿勢が違うと異なる種目として扱われます。同じ宙返りでも姿勢によって3種類の宙返りとなるのです。1回宙返り未満の縦回転運動については、姿勢による差は異なる種目として扱われませんので、普及指導員の指導する種目にあまり姿勢は意識されませんが、実際は3つの姿勢による方法があります。たとえば段階練習3の「腹落ち」でも3つの姿勢をとることができるのです。実際段階練習19の「腰落ち-腹落ち」は抱え型で行う方が多いですが、海老型で行う人もいます。まれに開脚で行う人も見かけますが。同様に段階練習21の腹落ちも抱え型で行う人もいれば、伸び型で行う人もいます。

 しかし捻りを行うときは伸び型で行うという前提がありますので、段階練習25の「1/2捻り腹落ち」などは、伸び型で行うことになっています。

 同様に段階練習24の「スイブル」も伸び型でひねることになっていますので、腰が曲がった状態で行うと、「1/2捻り腰落ち」ではなく、「1/2横回り腰落ち」と見なされます。シャトル競技では、スイブル(1/2捻り腰落ち)は有効種目ですが、「1/2横回り腰落ち」は無効の種目であり、またスイブルとは異なる種目として扱われますので、シャトル競技で腰が曲がった状態で「スイブル」もどきの「1/2横回り腰落ち」を行うとアウトとなります。

 スイブルの前段階となる段階練習17「1/2捻り腰落ち」も当然伸び型で行う必要があります。そのため、段階練習17の基礎種目である段階練習3「腰落ち」も伸び型を指導することになっています。でも捻りを伴わないので、本当は3つの姿勢があるのです。

 

2016年

2月

12日

段階練習24.腰落ち-1/2捻り腰落ち(スイブル・ヒップス)-立つ(8)

 「スイブル」は非常に複雑なため、かなりの回数説明してきました。今回が最後です。ここ数回説明してきたように、「スイブル」は運動が複雑なため3つの方法があり、それぞれ必要な前段階練習が異なってきます。どの方法がやりやすいかは実際行ってみないとわかりませんので、「スイブル」を行うには、前段階として行っておく必要がある練習が非常に多くなっています。

「前傾法」は比較的取り組みやすい方法ですが、トラベルしやすいので、競技選手には指導しないことが望ましい方法ですし、レクトラでも徐々にトラベルしないように捻り軸を直していくことが望ましいです。

 逆に、複雑な運動の組み合わせで行われる種目ですので段階練習の30番種目の中では種目系列として「スイブル系」としてあげられているように、1つの到達点となっています。なお、普及指導員の指導範囲を超えますが、同種の運動をする種目に「クレイドル」がありますので、「クレイドル」の前段階の練習として、段階練習24の「スイブル」は重要な種目です。

2016年

2月

05日

段階練習24.腰落ち-1/2捻り腰落ち(スイブル・ヒップス)-立つ(7)

 ところで、「スイブル」の実施のしかたに、いわゆる「前傾法」という方法があります。

  「前傾法」というのは、本来上半身は真上に引き上げ種目を実施しなければならないのですが、どうしても「スイブル」ができない人に対してとりあえず「スイブル」ができるようにするための方法です。つまり「前傾法」を指導すると「スイブル」が容易にできるようになる人が多いです。

  「前傾法」は具体的にいうと、「腰落ち」の状態から真上にあがるのではなく、腕で上半身を前方に押し出す方法です。こうすると「前方回転」が発生しますので、下半身の「前方回転」運動が容易になり、「スイブル」を実施しやすくなります。

 「腰落ち」の状態から上半身が前方にでる動作は、段階練習12の「腰落ち-よつんばい落ち」や段階練習19の「腰落ち-腹落ち」と同じ運動ですし、ひねることができない場合それらの状態で落下することになりますので、必ずこの2つの段階練習を習得済みの状態で行うことが大事です。そして後半の「1/2捻り+前方回転」は段階練習9の「よつんばい落ち-1/2捻り腰落ち」と同じ運動です。つまり段階練習9が習得済みである必要があります。

 この方法の特徴としては一般的な「スイブル」では下半身の縦回転運動が中心になっているのに対して、「前傾法」は上半身を縦回転運動すること、そして縦回転運動が、他の2つでは、「前方-後方」と切り替わっているのに対して、「前傾法」では「前方-前方」となっていますので、切り替えが必要ないので、比較的容易に行える方法となっています。なお、捻りの軸も一般的な「スイブル」は垂直軸回りですが、「前傾法」では水平に傾いた軸回りとなっています。

2015年

11月

27日

段階練習24.腰落ち-1/2捻り腰落ち(スイブル・ヒップス)-立つ(6)

 今回は「遅捻りスイブル」です。「遅捻りスイブル」は軸系列から見ると「前方回転」-「1/2捻り+前方回転」です。この「スイブル」は「前方回転」-「1/2捻り+後方回転」となります。後半の「1/2捻り+後方回転」は「段階練習17.1/2捻り腰落ち(ハーフシート)-立つ」で、「膝落ち」を介して行うと「5.腰落ち-膝落ち-1/2捻り腰落ち-立つ」になります。よって段階練習17と5は必修の種目となります。

 

 

 

2015年

11月

20日

段階練習24.腰落ち-1/2捻り腰落ち(スイブル・ヒップス)-立つ(5)

 今回は「早捻りスイブル」についての解説です。「早捻りスイブル」は3つの方法の中で一番難しいかもしれません。

 「早捻りスイブル」は軸運動から見ると、「前方回転+1/2捻り」-「後方回転」という組み合わせ運動です。

 前半の「前方回転+1/2捻り」の部分はそのまま「立つ」を行えば、段階練習23「腰落ち-1/2捻り立つ」そのものになりますので、段階練習23は前段階として必修種目です。後半の「後方回転」は段階練習3「腰落ち」そのものですので、段階練習3が必修の練習です。これを「膝落ち」でおこなえば「段階練習6.腰落ち-1/2捻り膝落ち-腰落ち-立つ」ですので、段階練習6も必修の練習です。

 

 

 

2015年

11月

13日

段階練習24.腰落ち-1/2捻り腰落ち(スイブル・ヒップス)-立つ(4)

 今回は「中捻りスイブル」について解説します。「中捻りスイブル」は「スイブル」の中でももっともオーソドックスな方法です。 

軸運動から見ると「中捻りスイブルは」、「前方回転+1/4捻り」-「1/4捻り+後方回転」という組み合わせ運動です。具体的にいうと脚を引き戻しつつ1/4ひねって、残り1/4ひねりながら長座姿勢をとるという運動です。ちょうど1/4捻りつまり横を向いたときに、伸身の状態になっています。

 「前方回転+1/4捻り」の前段階としては、段階練習23の「腰落ち-1/2ひねり立つ」と同じく、腰を伸ばしつつひねるという動作を行いますので、段階練習23は必修の前段階練習です。後半の「1/4捻り+後方回転」は段階練習段階練習17「1/2捻り腰落ち-立つ」の捻りながら長座姿勢をとるという動作ですので、段階練習17が必修の前段階練習となっています。

2015年

11月

06日

段階練習24.腰落ち-1/2捻り腰落ち(スイブル・ヒップス)-立つ(3)

 前回段階連取24「スイブル」を実施するに当たって、前段階として練習しておくべきものとして、段階練習2「1/2捻り跳び」、段階練習3「腰落ち-立つ」、段階練習16「閉脚跳び」をあげましたが、そのほかにも習得済みであることが必要な種目がたくさんあります。しかし「スイブルは」「前方回転」から「後方回転」に「ひねり」運動をくみ泡得た複雑な運動のため、実際は「早捻り」、「中捻り」、「遅捻り」の3種類の方法があります。そのためそれぞれに必要な前段階の練習方法が異なってきますので、それぞれについては次回から3回に分けて解説します。

 

2015年

10月

30日

段階練習24.腰落ち-1/2捻り腰落ち(スイブル・ヒップス)-立つ(2)

 「スイブル」は3つの軸運動を1つの跳躍の間に行う初めての種目となりますが、「前方回転」-「後方回転」という2つの回転動作を1跳躍の間に連続で行う運動としては2番目の種目となります。最初に出てくるのは、前後の順番が逆ですが、段階練習7「抱え跳び」、段階練習10「開脚跳び」、段階練習16「閉脚跳び」です。この3つのフィートバウンスは、左右軸回りの回転半径が小さい順から練習しています。

 段階練習16の「閉脚跳び」が90度「後方回転」-90度「前後回転」であるのに対して、段階練習24「スイブル」は90度「前方回転」-90度「後方回転」になっていてさらに「1/2捻り」が加わることにより、180度「前方回転」運動をしているように見える種目です。

 段階練習16の「閉脚跳び」の後半の運動に「1/2捻り」と90度「後方回転」を付け合わせたのが、段階練習24「スイブル」ですので、「スイブル」を実施する前には、「閉脚跳び」をマスターしておく必要があります。また当然、段階練習2「1/2捻り跳び」、段階練習3「腰落ち-立つ」などが十分習得済みである必要があります。

2015年

10月

23日

段階練習24.腰落ち-1/2捻り腰落ち(スイブル・ヒップス)-立つ(1)

 段階練習24「腰落ち-スイブル-立つ」は種目系列では、「腰落ち系(スイブル系)」です。「腰落ち-スイブル」は軸系列からいうと「ひねり系」、「後方回転系」、「前方回転系」の3つの組み合わせです。組み合わせといっても「後方回転」と「前方回転」は同時には行えませんので、実際は「前方回転」-「後方回転」という2つの回転動作を1跳躍の間に連続で行う運動となります。これに「ひねり」が加わったのが「スイブル」という運動です。

 以上のように「スイブル」は3つの軸系列が組み合わさった種目であり、かなり複雑な運動です。3つの軸運動を1つで行うのは、「スイブル」が初めて行う種目となります。

2015年

10月

09日

段階練習23.腰落ち-1/2捻り立つ(ハーフスタンド)(3)

 前回、「腰落ち」の姿勢から頭の位置が下降する「よつんばい落ち」や「腹落ち」より上昇する「膝落ち」の方が、恐怖感が少なく安全であるということを説明しました。そのため、段階練習23の「腰落ち-1/2捻り立つ」は段階練習14,15よりも先行しても大丈夫ではないかということを書きました。今回は、段階練習6の「腰落ち-1/2捻り膝落ち」と比べてどちらが安全かということについて書きます。

 段階練習4の「膝落ち-立つ」のところで説明したとおり「膝落ち」は調整できる関節部分が腰のみであり、危険度が高い姿勢です。このため、「腰落ち-立つ」は段階練習3、「腰落ち-膝落ち」は段階練習5となっており、「腰落ち」状態から「立つ」が「膝落ち」より先行しています。つまり捻りを伴わない場合、「膝落ち」より「立つ」の方が安全ということです。これは捻りを伴ってもあまり変わらないと思われます。さらに段階練習5は「腰落ち-1/2捻り膝落ち-腰落ち-立つ」という4種目連続ですので、より難度が高くなっています。

 以上から考えて、「腰落ち-1/2捻り立つ」のほうが段階練習5の「腰落ち-1/2捻り膝落ち」に先行してもよいのではないかと思われます。

 というわけで、「腰落ち-1/2捻り立つ」が段階練習23に配置されているのは、段階練習24の「スイブル」に取りかかる直前に、“高い跳躍”をして必ず練習しなければならない種目として、直前におかれたものではないかと思われます。つまり、たとえ「腰落ち-1/2捻り立つ」が簡単だからといって、そしてもし習得済みであっても、「スイブル」を練習するときには必ず、“高い跳躍”により「腰落ち-1/2捻り立つ」を練習してからとりかからなければいけない種目となっているものと判断できます。

 

 

2015年

10月

02日

段階練習23.腰落ち-1/2捻り立つ(ハーフスタンド)(2)

 前回、段階練習23番の「腰落ち-1/2捻り立つ」がなぜこんな後の方にくるのかわからないと書きましたので、それについて補足します。

 「腰落ち-1/2捻り立つ」は軸系列では、「ひねり系」と下半身の「前方回転系」の組み合わせ運動です。ドロップ(○○落ち)状態の姿勢からひねって立つ運動は初めて行う運動ですが、腰落ちからの「1/2捻り」運動は、他に段階練習6で「腰落ち-1/2捻り膝落ち」、段階練習14で「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち」、段階練習15で「腰落ち-1/2捻り腹落ち」と3種類出てきます。

 「よつんばい落ち」と「腹落ち」は「腰落ち」の姿勢と比べると頭の位置が低い位置になりますので、落下することになり恐怖心が大きい姿勢です。これに対して「膝落ち」は「腰落ち」姿勢よりも、頭の位置が高くなりますので、落下ではなく上昇でるので恐怖心の少ない姿勢となっています。そのため、同じ腰落ちから1/2ひねる種目としては、「膝落ち」は段階練習6と早い段階で行い、「よつんばい落ち」、「腹落ち」は段階練習14,15とだいぶ後で練習するようになっています。つまり、頭の位置が低くなるより高くなる方が安全に行えるということです。同様に考えれば、「立つ」の姿勢も頭の位置が高くなる運動ですので、段階練習14の「よつんばい落ち」、段階練習15の「腹落ち」より先行して行ってもよいのではないかと考えます。

2015年

9月

25日

段階練習23.腰落ち-1/2捻り立つ(ハーフスタンド)(1)

 段階練習23「腰落ち-1/2捻り立つ」は、種目系列では「腰落ち系(スイブル系)」になっています。当然この種目を実施する前には、段階練習2「1/2捻り跳び」と段階練習3「腰落ち-立つ」ができていなければなりません。この運動は種目系列で「スイブル系」に分類されているように、次の段階練習24で行う「スイブル」の前段階の練習です。

 今まで、偉そうに解説をしてきましたが、実はこの種目がなぜ23番目とかなり後半に行うことになっているのかはよくわかりませんでした。

 段階練習19~21番が「腹落ち」を習得するために連続して行う練習であるように、段階練習23は「スイブル」を習得するために22番目に配置されているのることはわかりますが。ただし個人的にはもっと前に練習しても問題ないものではないかと考えています。


※ このように遅い順番に配置されている理由はわかりませんでしたので、元日本トランポリン協会副会長であり、この段階練習作成の中心人物であった塩野尚文先生に問い合わせしてみました。段階練習24のスイブルにつなげるためには単に「腰落ち-1/2捻り立つ」を行うのではなく、「高い跳躍」で行うという意味でこの位置に配置したということです。よって段階練習23は高い跳躍からの腰落ちができるようになった段階で行うことに意味があります。

2015年

9月

18日

段階練習22.腹落ち-腰落ち-立つ

 段階練習22「腹落ち-腰落ち-立つ」は種目系列では「回転系(後方系)」になります。軸系列では「腹落ち-腰落ち」は「後方回転系」になります。

 この練習に入る前には段階練習3「腰落ち-立つ」と段階練習21「腹落ち-立つ」が習得済みである必要があります。特に「腹落ち-立つ」の下半身の動きに90度後方回転を追加したのが、この種目となりますので、段階練習21はこの種目の前段階の練習として非常に重要です。

 なお、段階練習21では「腹落ち」を習得するために段階練習19~21が連続していると説明しましたが、段階練習22を習得するためと考えれば、段階練習19~22が連続しているといえます。

 

2015年

9月

11日

余談5 3つのかかり

「腹落ち」には「胸がかり」、「へそがかり」、「膝がかり」の3つの落ち方があります。この名称はトランポリンのベッドにどこからつくかを示しています。普及指導員が一番最初に指導するのは、「膝がかり」です。なぜなら「胸がかり」になると、鯱鉾(サソリ)のようにのけぞってしまって腰を痛める危険性があるからです。また「胸がかり」の角度がつきすぎると顔面から落ちることになります。そして顔面をかばうために足をばたつかせた結果、かかとから落下し反動で脚が跳ね上げられ膝関節を破壊したという事故が過去に2件起きているそうです。だから「胸係」になることをさけるため、安全対策として「膝がかり」が推奨されています。

 なお、「臍がかり」からはいると、失敗して前のめりに角度がつくと「胸がかり」になることがあります。「膝がかり」は角度がついて前のめりになっても「臍がかり」になるだけです。以上の理由から安全面から「臍がかり」が推奨されています。「膝がかり」になるように、段階練習8の「よつんばい落ち」は下半身を後方に引いて立っていた部分つまり、ベッドの中心に手が着くように指導することになっています。

 なお、「かかり」の位置によってその後の運動が変わってきます。「膝がかり」は膝を支点に上体が前方回転してベッドに落下しますので、跳ね上げで上半身が後方回転します。つまり「腹落ち」状態から「立つ」きっかけを作れます。「胸がかり」胸を支点に胴体や脚が後方回転してベッドに落下します。その反動で下半身が浮き上がりますので、「腹落ち-1/2捻り背落ち」などがしやすくなります。ただし、この動作を必要とする種目は普及指導員の範囲にはないので、「胸がかり」を普及指導員が指導する必要はありません。

 最後の「臍がかり」は体の中心から落下しますので、回転運動は発生しません。そのため真上に跳ね上がります。段階練習26「ターンテーブル」やバッジテスト2級にある「腹落ち-腹落ち」などでは、そのまま上に上がるのがよいので「臍がかり」で行う必要があります。

 以上述べたように「腹落ち」はもっともベッドに接触する長さが長いため、次にする種目によって落下位置を微妙調整する方法があります。

2015年

9月

04日

段階練習21.腹落ち(フロントドロップ)-立つ(2)

 段階練習21「腹落ち-立つ」は段階練習25「1/2捻り腹落ち」に先行して習得しておくことが必要な練習です。

 そして最も重要なのは、「腹落ち」姿勢からの「立つ」です。ドロップ系(「○○落ち」という名称の種目)を実施した場合必ず、「立つ」がセットになります。「落ちる」種目は恐怖感が伴いますので、意識がそちらに行きがちですが、意外と難しいのは「立つ」方です。立つことができなければ、安全にトランポリンをすることはできません。

 特に、「腹落ち」からの「立つ」は段階練習22の「腹落ち-腰落ち」の前段階というだけではなく、後方宙返りの最後の1/4回転部分から着地へという動作と同じ動きになりますので、将来宙返りを行う場合、この「立つ」を伸身の状態で完璧にできるようにしておく必要があります。そのためには、「段階練習11.よつんばい落ち-腹落ち-膝落ち-立つ」をしっかり練習しておく必要があります。

2015年

8月

21日

段階練習21.腹落ち(フロントドロップ)-立つ(1)

 段階練習21「腹落ち-立つ」は、種目系列では「腹落ち系」になっています。軸系列からいうと「腹落ち」は「前方回転系」になります。

 この種目に先立ち、段階練習15「腰落ち-1/2捻り腹落ち-立つ」、段階練習19「腰落ち-腹落ち-立つ」、段階練習20「膝落ち-腹落ち-立つ」を習得済みである必要があります。この順番は、種目の難しさよりも、落下高さの順に並べられていることに注意してください。

 なお、段階練習19~21は「腹落ち」を実施するために連続して並べられているようです。段階練習にはとびとびで並べられているケースも多いですが、高度な種目については、このように連続して並べられているものがあります。

2015年

8月

14日

段階練習20.膝落ち-腹落ち-立つ

 段階練習20「膝落ち-腹落ち-立つ」は種目系列では「腹落ち」系となります。この種目を練習する前には、段階練習4の「膝落ち」、段階練習15の「腹落ち-立つ」は習得済みである必要があります。

 「膝落ち-腹落ち」は軸系列では「前方回転系」になります。落下量の面から落下高さの低い同系列の段階練習19「膝落ち-腹落ち-立つ」を先行して練習することになっています。逆に落下量の大きい段階練習21「腹落ち-立つ」に先行して段階練習20の「膝落ち-腹落ち」を練習しておかなければなりません。

 

2015年

8月

07日

段階練習19.腰落ち-腹落ち-立つ

 段階練習19「腰落ち-腹落ち-立つ」は種目系列では、「回転系(前方系)」となっています。段階練習12の「腰落ち-よつんばい落ち」の「よつんばい落ち」を「腹落ち」に変えたものです。「腹落ちは」は「よつんばい落ち」より落下高さが大きいため、先行して段階練習12で前方回転のコントロール練習を積んでおく必要があります。当然段階練習3の「腰落ち」と段階練習15における「腹落ち-立つ」も習得済みであることが必要です。

 「腰落ち-腹落ち」は軸系列でも「前方回転系」です。同じように「前方回転系」なる種目として段階練習20の「膝落ち-腹落ち」、段階練習21の「腹落ち」があります。「腰落ち」姿勢は「膝落ち」や立位より落下高さが、少ないので、これらの種目より先行して練習することになっています。ただし、これらの種目の回転量が上半身・下半身とも90度であるのに対して、「腰落ち-腹落ち」は上半身は90度ですが、下半身は180度回転することになっていますので、技術的にはかなり高度で、また回転に勢いがつきつっこみやすい種目ですので、習得が難しい種目となっています。

 

2015年

7月

31日

段階練習18.1回捻り跳び(ピルエット)-ジャンプ

 段階練習18「1回捻り跳び」は種目系列では「垂直跳び系」となります。軸系列では「ひねり系」となります。

 先行して習得しなければならない種目としては、段階練習2の「1/2捻り跳び」があります。このほか関連する種目はありません。でも18番目とかなり後の方に出てきます。

 1回捻りの種目としては18番目に初めて出てきます。これは1回捻りという運動が、たかだか180度追加しただけですが、1/2捻りに比べてかなり高度であるために、実施するのが難しいためにかなり後の方に練習することになっているようです。

 なお、1回捻り跳びは実施中は伸身姿勢を維持しないと実施するのが難しい種目です。段階練習1「垂直跳び」はすべての基礎種目で今まであえて習得済みであることを書いてきませんでしたが、「1回捻り跳び」を行うには、垂直跳びが伸身で維持できることが非常に重要です。また、この種目を行う前におこなう1/2捻りを伴う種目でも伸身姿勢でひねるように練習しておくことも大事です。

 

2015年

7月

24日

段階練習17.1/2捻り腰落ち(ハーフシート)-立つ(2)

 段階練習17「1/2捻り腰落ち-立つ」は軸系列からいうと「ひねり系」と「後方回転系」の組み合わせになります。

 この練習に入る前には、段階練習2「捻り跳び」、段階練習3「腰落ち」は当然習得済みである必要があります。

 また、捻りと「腰落ち」を組み合わせた種目には段階練習5の「膝落ち-1/2捻り腰落ち」、段階練習9の「よつんばい落ち-1/2捻り腰落ち」があります。低い位置から実施するこれらの種目を先行して行うようになっています。

 

2015年

7月

17日

段階練習17.1/2捻り腰落ち(ハーフシート)-立つ(1)

 段階練習17「1/2捻り腰落ち-立つ」は種目系列では「腰落ち系」、細分類では「スイブル系」・「1回捻り腰落ち系」となっています。つまり捻りを伴う「腰落ち」の基礎となる種目です。

 同じ1回ひねり系に分類される段階練習28の「ローラー」のベースともなりますので、多くの人が苦手とする「ローラー」の前段階として確実にできるようにしておく必要があります。

 

2015年

7月

10日

段階練習16.閉脚跳び(パイク・バウンス)-ジャンプ(2)

 前回閉脚跳びはかなり高度な種目であるため、段階練習でも後の方に出てくると書きました。今回も引き続きその点について解説します。

 この種目を行う前に、段階練習3の「腰落ち-立つ」が習得済みであることは前回書いたとおりです。このほか類似種目である段階練習7「かかえ跳び」、段階練習10の「開脚跳び」も習得済みである必要があります。

 また段階練習15の「腰落ち-1/2捻り腹落ち」で腰を伸ばす練習をしてから練習することが望ましいです。

 

2015年

7月

03日

段階練習16.閉脚跳び(パイク・バウンス)-ジャンプ(1)

 段階練習16「閉脚跳び」は種目系列では「垂直跳び」、軸系列では「無回転系」です。回転も捻りもないので、難度的に難しい種目ではなさそうですが、かなり後半に行う練習です。

 軸系列からいって「閉脚跳び」は無回転系になりますが、実際は下半身が後方回転運動をし、その後前方回転運動を行っています。下半身による運動による回転を相殺するように上半身を回転運動させますので、結果として無回転となっています。

 この下半身の運動は、段階練習3の「腰落ち-立つ」の2つの跳躍における運動をワンジャンプで行っているのと同じ動作です。つまり、段階練習3「腰落ち-立つ」より遥に難しい運動であり、戻しが不完全な場合腰落ち姿勢で落下することもありますので、段階練習3が最低限できなければならない運動です。

 「抱え跳び」、「開脚跳び」、「閉脚跳び」は3バウンスといって、準備運動として行うことがよくありますが、実際は「閉脚跳び」はかなり高度な種目です。また跳躍高さもありますので、危険な種目でもあります。

 だからかなり後の方で練習するようになっています。

 

2015年

6月

26日

段階練習15. 腰落ち-1/2捻り腹落ち-立つ(6)

 段階練習15には非常に重要なポイントがあります。それは「腰落ち」姿勢から腰を伸ばして伸身姿勢になり捻り運動を行うということです。

 「腰落ち」姿勢から腰を伸ばして「背落ち」をすれば段階練習29に、1/2捻り付け加えて「腹落ち」することで段階練習15に、さらにもう180度回転することで、段階練習28になります。「腰落ち」姿勢ではなく立位から行えば、段階練習25になります。段階練習25に180度捻りを付け加えることで段階練習30番となります。

 つまり普及指導員が指導できる段階練習30番までの種目で、後半で出てくる高難度の種目の多くの基礎となるのが、この段階練習15です。

 さらに腰を伸ばして1/2ひねるという運動は、バラニー(前方1回宙返り1/2捻り)など宙返りに捻りを加えた種目のベースともなります。すなわちこの種目は「回転系」+「捻り系」運動の基礎となる非常に重要な種目です。

2015年

6月

05日

段階練習15. 腰落ち-1/2捻り腹落ち-立つ(5)

 段階練習15は「腰落ち」から「腹落ち」する種目です。同様の種目に段階練習19「腰落ち-腹落ち」というのがあります。段階練習15は軸系列で「後方回転系」と「ひねり系」ですが、段階練習19は「前方回転系」になります。通常「前方回転系」の方が、「後方回転系」より先に行いますが、段階練習15と19の関係は逆になっています。

  これは、段階練習15が上半身の回転運動にとどまるのに対して、段階練習19は全身の回転運動になるため技術的に高度なこと、また回転に必要な高さが段階練習9の方が大きいこと、つまり落下高さが大きいために、このケースでは、段階練習15の方が先行して練習することになっています。

2015年

5月

29日

段階練習15. 腰落ち-1/2捻り腹落ち-立つ(4)

 段階練習25の立位からの「1/2捻り腹落ち」と段階練習15の「腰落ち-1/2捻り腹落ち」は、「1/2捻り腹落ち」という点で共通種目です。

 「腰落ち」姿勢と立位では腹落ちに至るための動作が違います。「腰落ち」からの腹落ち姿勢を作るには、曲がった腰を伸ばすという動作が必要になり、運動としては複雑です。しかし、「腰落ち」と立位では落下高さが大きく異なります。高さの面、恐怖心の点から立位の方が、実施しにくくまた危険性が高いので、「腰落ち」からの「1/2捻り腹落ち」を先行して練習するようになっています。

 つまり「難しい」ことよりも「安全性」が優先されています。

 

2015年

4月

24日

段階練習15. 腰落ち-1/2捻り腹落ち-立つ(3)

 段階練習15の「1/2捻り腹落ち-立つ」は、軸系列では「後方回転系」になります。

 段階練習11では「腹落ち」から「膝落ち」を介して「立つ」を行っています。「腹落ち」から直接「立つ」は段階練習15で初めて行います。つまり段階練習15をする際には、段階練習11を習得しておく必要があります。

 逆に段階練習25「1/2捻り腹落ち-立つ」、段階練習26の「ターンテーブル-立つ」などでも「腹落ち-立つ」は使われる種目ですので、それらの前に段階練習15をマスターしておく必要があります。

 さらに、段階練習20番の「腹落ち-腰落ち」は「腹落ち-立つ」にさらに脚部を後方90度回転する種目ですので、この種目がベースとなります。そして、「腹落ち」からの「立つ」は後方宙返りの最後の1/4部分と同じ動作ですので、将来宙返りをしたい方は完璧にできるようにする必要があります。

 

 

 

2015年

4月

17日

段階練習15. 腰落ち-1/2捻り腹落ち-立つ(2)

 段階練習15の「腰落ち-1/2捻り腹落ち」は軸系列からいうと、段階練習14の「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち」同様「ひねり系」と「後方回転系」の組み合わせとなります。「後方回転系」に分類されるのは、ちょっとわかりづらいかもしれませんが、上半身が垂直から水平状態に後方に90度回転するからです。

 「腰落ち」から後方に90度回転する種目としては、段階練習29「腰落ち-水平背落ち」があります。この種目の方が運動が単純で上半身が後方に90度回転しているということは理解しやすいと思います。

 この段階練習29に「1/2捻り」を組み合わせたのが、段階練習15の「腰落ち-1/2捻り腹落ち」です。運動としては段階練習15の方が段階練習29より複雑で難度も高いです。しかし、ブラインドサイドへの運動は恐怖心が大きいため、1/2捻りを行ってオープンサイドにすることで、恐怖心を弱めています。

 段階練習15で「腰落ち」の状態から空中で伸身水平の状態になって落下することをここで習得してはじめて、恐怖心の大きい段階練習29に進むことができるのです。

 なお、「腰落ち」の姿勢から、伸身の姿勢になるのは、段階練習3「腰落ち-立つ」で実施済みです。つまり段階練習15に入る前に「腰落ち-立つ」ができるだけではなく、完成度を高めて、伸身の状態で立てるようになっておく必要があります。

 

2015年

4月

10日

段階練習15. 腰落ち-1/2捻り腹落ち-立つ(1)

 段階練習15「腰落ち1/2捻り腹落ち-立つ」は種目系列では「腹落ち系」ではなく、「背落ち系」の「1回捻り背落ち系」に分類されています。でも腹落ちの姿勢で着床しますので、段階練習11で「よつんばい落ち-腹落ち-膝落ち-立つ」を練習しておく必要があります。また当然のことですが、段階練習3の「1/2捻り跳び」、段階練習3の「腰落ち」も習得済みである必要があります。そして、類似種目の段階練習14「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち-立つ」ができていなければなりません。

 段階練習14は「1回捻り腰落ち系」、段階練習15は「1回捻り背落ち系」となっています。この違いについては次回説明することにします。

 段階練習15は種目系列で「背落ち系」に分類される種目としては初めて、つまり一番の基礎種目ですので、将来31番以上の種目まで習得したい方は確実に習得する必要があります。

 なお、この種目は背後に「腹落ち」の姿勢で着床することから、かなり恐怖感が伴いますので、技術面よりも心理面で実施できない人が多いです。

2015年

2月

20日

段階練習14.腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち-立つ(2)

 段階練習14の「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち」は軸系列からいうと、「ひねり系」と「後方回転系」の組み合わせとなります。「後方回転系」に分類されるのは、下半身は水平のままですが、上半身は捻りを伴いながら垂直から水平に後方に90度回転しているためです。

 この点については、段階練習15「腰落ち-1/2捻り腹落ち」で改めて解説しますので、今回はふれる程度にしておきます。

 なお、「腰落ち」から「腹落ち」に比べて「よつんばい落ち」は頭部の落下量が少ないので、それだけ恐怖心が少なくなります。だから、段階練習15に先行して段階練習14が行われるように配置されています。

2015年

2月

06日

段階練習14.腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち-立つ(1)

 段階練習14「腰落ち-1/2捻りよつんばい落ち-立つ」は種目系列では、「腰落ち系」の「1回捻り腰落ち系」になります。ただし、この練習は段階練習30「1回捻り腰落ち」のベースというよりも、段階練習28「ローラー」のベースとなる種目です。また、段階練習15「腰落ち-1/2捻り腹落ち」のベースとなる種目でもありますので、段階練習25「1/2捻り腹落ち-立つ」のベースにもなる種目です。

 この練習に入る前には、段階練習2の「1/2捻り跳び」、段階練習3の「腰落ち」、段階練習8の「よつんばい落ち-立つ」が習得済みである必要があります。

 

2014年

12月

26日

段階練習13.よつんばい落ち-腰落ち-立つ

 段階練習13「よつんばい落ち-腰落ち-立つ」は、種目系列では「回転系(後方系)」になります。これを練習する以前には、段階練習3の「腰落ち-立つ」、段階練習8で「よつんばい落ち-立つ」をマスターしておく必要があります。

 「よつんばい落ち-腰落ち」は軸系列でも「後方回転系」になります。種目系列では初めて出てくる「回転系(後方系)」ですが、軸系列の「後方回転系」としては、「よつんばい落ち-立つ」が既出となります。この種目は上半身が後方90度回転、下半身が後方90度回転ですが、「よつんばい落ち-腰落ち」では上半身は後方90度ですが、下半身は後方180度回転となります。つまり「腰落ち-立つ」より下半身を90度大きく回転させる種目がこの種目となります。

 また、系列種目で「回転系(後方系)」になる段階練習22「腹落ち-腰落ち-立つ」は段階練習13の「よつんばい落ち」を「腹落ち」に変えたものですので、段階練習22のベースとなる種目です。さらには、後方回転運動の基礎となる種目です。

2014年

12月

19日

余談4 前後の関係

 普及指導員には関係ありませんが、コーチの教本では、前方宙返りと後方宙返りは同程度練習する必要があるとされています。

 段階練習を見ると、徐々に高度な種目になるように似た種目が連続している部分が多いですが、段階練習3「腰落ち」と段階練習4「膝落ち」、段階練習12「腰落ち-よつんばい落ち」と段階練習13「よつんばい落ち-腰落ち」、段階練習21「腹落ち」と段階練習22「腹落ち-腰落ち」という並びも特徴的です。

 「腰落ち」と「膝落ち」は軸系列で考えると下半身が前方回転系・後方回転形という順番になっています。同様に段階練習12と13は前後逆の関係にあります。また段階練習21と22も回転方向を考えると前後の関係にあります。立位からの上半身の後方回転は「背落ち」になります。「背落ち」は危険性が高く恐怖心が強い種目ですので、普及指導員の指導範囲には含まれていませんので、代わりに「腹落ち-腰落ち」つまり上半身を考えると水平から垂直に後方90度回転する種目を代用しているとすれば、この3つはすべて前後の関係にあります

 これらは冒頭に述べたように、前方と後方を同じ程度経験させるという考えで並べられたのではないかと思われます。

 なお、この3つとも前方回転系の種目が先に実施されています。これは、「危機感の原則」で説明したように、ブラインドサイドつまり背後への移動は恐怖心が大きいという「危機感の原則」に従って並べられています。

2014年

12月

12日

段階練習12.腰落ち-よつんばい落ち-よつんばい落ち-立つ(2)

 段階練習12では「よつんばい落ち」を2回することになっています。これは、段階練習8の回に述べたように、ひとつは「よつんばい落ち」が正しく垂直に行われているかどうかの確認をするために行われています。そして「腹落ち」に移行するためにも「よつんばい落ち」を2回することになっていると考えられます。

 段階練習帳(普及版)は今まで解説してきたように、安全性や恐怖感を考慮してかなりよく考えられてつくられていると思いますが、なぜかバッジテスト4級の段階練習にある「腰落ち-よつんばい落ち-腹落ち」が含まれていません。段階練習11と段階練習12で別々に練習するようになっています。

 この連続種目は、段階練習12で実施する2回目の「よつんばい落ち」を「腹落ち」に変えたものです。段階練習12は段階練習19「腰落ち-腹落ち-立つ」に発展する練習ですが、バッジテストの段階練習では、「腰落ち-よつんばい落ち-腹落ち」から「腰落ち-腹落ち」に発展させています。

 歴史的経緯を見ると、まず、段階練習帳(普及版)ができ、その後でバッジテスト段階練習帳ができたようなので、後からより安全性を高めるために修正されてできたのがバッジテスト用だと考えれば、この段階(段階練習11と12を組み合わせた連続種目)を踏んだ方がより安全と考えられますので、段階練習19に進む前に、段階練習12‘として、「腰落ち-よつんばい落ち-腹落ち-立つ」を追加した方がよいのではないかと思います。

2014年

12月

05日

段階練習12.腰落ち-よつんばい落ち-よつんばい落ち-立つ(1)

 

段階練習12「腰落ち-よつんばい落ち-よつんばい落ち-立つ」は種目系列としては「回転系(前方系)」になっています。種目系列としては、最初に出てくる「回転系」種目となります。

 軸系列でも、「前方回転系」になりますが、軸系列では「よつんばい落ち」が前方回転系に分類されており、段階練習12以前に「回転系」の種目が実施されていることになっています。

 立位からの「よつんばい落ち」では脚部のうち、大腿は垂直を保っていることから、この部分に関しては、無回転運動となっています。しかし、「腰落ち-よつんばい落ち」は脚部も含めて前方回転しており、脚部に関していえば、180度回転することになっています。その分回転力が強くなりますので、着床が難しくなっています。つまり、この種目を実施する前に下半身だけ前方回転するだけの、回転力の弱い「腰落ち-立つ」を習得しておく必要があります。

2014年

11月

28日

段階練習11.よつんばい落ち-腹落ち-膝落ち-立つ(3)

 今回は、後半の「腹落ち-膝落ち-立つ」についての解説です。この一連の動作から「膝落ち」を抜かしていけば、段階練習21の「腹落ち-ジャンプ」となりますので、この部分は段階練習21の後半の先行練習となります。

 「腹落ち-膝落ち」は軸系列では、「後方回転系」になります。膝から上部が後方に90度回転する運動だからです。頭部の「後方回転系」種目としては、段階練習8の「よつんばい落ち-立つ」がありますが、こちらは腕の反力で状態に回転を与えることができますが、「腹落ち」からだと、「よつんばい落ち」ほど強く押せませんので、回転力が弱いため、段階練習11に先行して上体を回転させる練習を段階練習8で行っておく必要があります。また、回転力が弱く跳躍力が弱いので、いきなり「立つ」のではなく、跳躍高さがなくてもできる「膝落ち」を間に挟んで、上体を回転させることを練習しておくことになっています。

2014年

11月

21日

段階練習11.よつんばい落ち-腹落ち-膝落ち-立つ(2)

 

段階練習11は前半の「よつんばい落ち-腹落ち」と後半の「腹落ち-膝落ち-立つ」に分けられます。今回は前半の「よつんばい落ち-腹落ち」について解説します。

 「よつんばい落ち-腹落ち」は軸系列からいうと「無回転系」となります。これは段階練習7の「抱え跳び」が無回転系であるのと同じです。90度回転してみれば、「よつんばい落ち-腹落ち」の動作は「抱え跳び」の後半(抱えたところから着床する間)と同じ動作をしています。この種目の練習をするにあたっては、段階練習8の「よつんばい落ち-よつんばい落ち」と段階練習7の「抱え跳び」が習得済みである必要があります。

2014年

11月

14日

段階練習11.よつんばい落ち-腹落ち-膝落ち-立つ(1)

 段階練習11「よつんばい落ち-腹落ち-膝落ち-立つ」は、種目系列は「腹落ち系」になります。

 段階練習8で説明したように、この種目を行う上で、段階練習8の「よつんばい落ち-よつんばい落ち」が習得済みであることが必要です。同様に、段階練習9の「よつんばい落ち-1/2捻り腰落ち」で曲げた手足を伸ばす動作を練習しておくことが必要です。

 逆に、段階練習19「腰落ち-腹落ち-立つ」、段階練習21の「腹落ち-立つ」を実施する前に、段階練習11を行っておく必要があります。

2014年

11月

07日

余談2 前後軸について

 「開脚跳び」は、左右対称に足を開いて閉じるという運動のため軸系列では「無回転系」トランポリン種目では特異な種目となっています。開脚運動というのは、軸系列から見ると、前後軸回りに、つまり左右の足を回転させる運動です。

 トランポリンでは、前後軸回りの運動というのはほとんど行いませんが、例外的にあるのが、この「開脚跳び」と、段階練習26の「ターンテーブル」です。

2014年

10月

31日

段階練習10.開脚跳び(ストラドル・パイク・バウンス)-ジャンプ(1)

 段階練習10「開脚跳び」は種目系列では「垂直跳び」、軸系列からいうと「無回転系」になります。

 「開脚跳び」は、段階練習7「抱え跳び」に比べて重心が前方に移動しやすい種目で、足が体の重心からはずれますので、開いた足を戻せないと、中途半端な状態で、落下します。「開脚跳び」を練習するにあたっては、段階練習7「抱え跳び」が習得済みである必要がありますし、失敗時のことを考えて段階練習3の「腰落ち」が習得済みであることが望ましい種目です。

 「開脚跳び」は英語名では、「ストラドル・パイク・ジャンプ」と呼ばれるように、「パイクジャンプ」の1種類です。開いた足を閉じて行えば、「ストレート・パイク・ジャンプ」つまり段階練習16の「閉脚跳び」になります。両足をそろえて前に出すよりも、左右に開く方がバランスをとりやすいので、「閉脚跳び」より先行して練習しておく必要があります。

2014年

10月

24日

段階練習9.よつんばい落ち-1/2捻り腰落ち-立つ(2)

 段階練習9の「よつんばい落ち-1/2捻り腰落ち」は、軸系列からいうと「ひねり系」と「前方回転系」の組み合わせ運動です。水平状態で1/2ひねり、水平状態から前方に上半身を回転する運動となります。

 「よつんばい落ち」から手足をのばして、そのまま落ちると段階練習11の「よつんばい落ち-腹落ち」となります。腹落ちは顔面がベッドに近づくため、恐怖感が伴いますし、よつんばい落ちの状態から腰落ちは、視線は上昇するため落下に関する恐怖感はありませんが、よつんばい落ちからは落下しますので恐怖感が高いです。

そこで、1/2ひねることで腰落ち姿勢で着床することで、恐怖心を少なくして、よつんばいすなわち、水平の状態で手足を伸ばすことを練習します。つまり、この種目は、「1回捻り腰落ち」のベースであるだけではなく、段階練習11の「よつんばい落ち-腹落ち」の前段階の練習でもあります。さらに、水平でひねるという運動は段階練習28の「ローラー」の基本練習にもなっています。

つまり「1回捻り腰落ち」、「腹落ち」、「ローラー」という難度の高い3種目の基本練習となっている非常に重要な練習です。

2014年

10月

17日

段階練習9.よつんばい落ち-1/2捻り腰落ち-立つ(1)

 段階練習9「よつんばい落ち-1/2捻り腰落ち-立つ」は、種目系列では「1回捻り腰落ち」となっています。

 この練習を始めるにあたっては、段階練習8「よつんばい落ち-よつんばい落ち-立つ」、段階練習2「1/2捻り跳び」、段階練習3「腰落ち-立つ」、類似種目が含まれる段階練習5の「膝落ち-1/2捻り腰落ち」に加えて、段階練習7の「抱え跳び」が習得済みであることが必要です。

 というのは、よつんばいの状態から膝を伸ばすという運動を、「抱え跳び」で抱えた後に膝を伸ばすという運動で練習しておく必要があるからです。

 

2014年

10月

10日

段階練習8.よつんばい落ち-よつんばい落ち-立つ(4)

 段階練習8の最後の部分「よつんばい落ち-立つ」についてです。これは以前にも書いたように軸系列からいうと「後方回転系」となります。頭部の「前方回転系」の運動として初めて行うのが「よつんばい落ち」なら、頭部の「後方回転系」で最初に行うのが、「よつんばい落ち-立つ」です。つまり、この種目が「後方回転系」種目のベースとなります。

ただし、普及指導員講習の教本の種目系列では、この種目は「後方回転系」に分類されていません。種目系列は連続運動全体を通じての分類であるのに対して、自分が提案している軸系列は、1つ1つの種目に対して分類しているためにこのような違いが出ています。

2014年

10月

03日

段階練習8.よつんばい落ち-よつんばい落ち-立つ(3)

 段階練習8は「よつんばい落ち」を2回してから「立つ」ことになっています。これにも理由があります。最初の「よつんばい落ち」から立ってしまうと、「前方回転」-「後方回転」運動となります。しかしよつんばいを2回行うことで「前方回転」-「垂直平行移動」-「後方回転」という運動になります。

 「よつんばい落ち」は正しく垂直に落下していることが必要ですので、連続練習により垂直に落下していることが確認できるようになっています。

また、2回目の「よつんばい落ち」を開く(手足を伸ばすこと)により、「腹落ち」へと発展させることができます。つまり段階練習9のベースとして段階練習11はあります。段階練習8の1回目の「よつんばい落ち」で手足が水平に並んだ状態で落下して前進が垂直にあがっていなければ、段階練習11に進むことができないのです。この種目は「腹落ち系」種目のもっとも基本となる練習で、非常に重要な練習です。

また、段階練習9,11~14など「よつんばい落ち」を使う練習の行う際には、当然この段階練習8が習得済みである必要があります。

2014年

9月

26日

段階練習8.よつんばい落ち-よつんばい落ち-立つ(2)

 「よつんばい落ち」は、軸系列からすると「前方回転系」になりますが、身体の部分運動を見ると、上半身は「前方回転系」、脚部は足を曲げることから「後方回転系」の運動をしてます。つまり、上半身の動きを下半身の動きで弱めた運動となっています。それにより、段階練習21の「腹落ち」より回転力が弱まりますので、「腹落ち」より先行して行われる必要がある種目です。

 なお、「よつんばい落ち-立つ」は「よつんばい落ち」の逆の動きとなりますので、軸系列からいうと「後方回転系」になります。手によるベッドの押し込みができることから「腹落ち-立つ」よりも容易ですので、これまた「腹落ち」より先行して練習しておく必要があります。

 また、「よつんばい落ち」は「膝落ちに」、「よつんばい落ち-立つ」は「膝落ち-立つ」の下半身の動きに、上半身の前後回転を付け加えた運動となり、動作が複雑ですから、段階練習4の「膝落ち」を習得してから行う必要があります。

 

 また落下量も「膝落ち」より大きいこと、膝落ちにない手足の同時性調整という動作が必要であることからコントロールが難しいので、「膝落ち」より後に練習することになっています。

2014年

9月

19日

段階練習8.よつんばい落ち-よつんばい落ち-立つ(1)

 段階練習8はよつんばい落ちの練習です。種目系列は「腹落ち系」、軸系列は「前方回転系」になります。

 よつんばい落ちは上半身の前後回転を行う初めての種目です。なお、立った状態からの前方回転には「よつんばい落ち」と「腹落ち」の2種類がありますが、後方回転運動は体の構造上「腹落ち」の前段階である「よつんばい落ち」に相当する種目がなく、いきなり「背落ち」となるため、難度が高いため、段階練習の30番までに「背落ち」は含まれていません。また、後方回転運動はブラインドサイドへの運動となり恐怖感が大きいから、前方回転から練習することになっています。

2014年

9月

12日

段階練習7.抱え跳び(タック・バウンス)-ジャンプ

 段階練習7の抱え跳びは種目系列では、「垂直跳び系」、脚部を曲げることは回転運動を発生していますが、腕の回転でそれを相殺していますので軸系列では「共通系(無回転系)」になります。

 3種類のフィートバウンス(抱え跳び、開脚跳び、閉脚跳び)の中で最初に習得する技です。抱え込むことにより回転半径が小さくなりますので、宙返りなど前後の回転動作をする際に最初に行う姿勢でもあります。また、段階練習19の「腰落ち-腹落ち」や段階練習26の「ターンテーブル」をする際に使用する姿勢ですので、宙返りを伴わないレベルでも、これらの種目に先行して習得しておかなければならない種目です。

 「閉脚跳び」、「開脚跳び」、「抱え跳び」とも姿勢をとるときに足が前方に移動しますが、抱え跳びがもっと移動量が少なく、全身に近い位置にあり、着地がしやすいため、3つのフィートバウンスの中で最初に練習する種目となっています。つまり、「抱え跳び」から着地または次の跳躍にできることが、「開脚跳び」、「閉脚跳び」を始める前提となっています。

2014年

8月

29日

段階練習6.腰落ち-1/2捻り膝落ち-腰落ち-立つ(3)

今回は「膝落ち-腰落ち」です。「膝落ち-腰落ち」を練習するに際して、段階練習3の「腰落ち-立つ」、段階練習4の「膝落ち-立つ」が習得済みである必要があります。

「膝落ち-腰落ち」は軸系列からいうと下腿が前方に180度回転しますので「後方回転系」に属します。頭部の移動量が少なく、不安定な「膝落ち」から安定した「腰落ち」になるので、安全性は高い種目ですが、足を上げ過ぎたり後方に倒れるように行うと後方回転が強くなりますので、転倒しやすくなります。

2014年

7月

18日

段階練習6.腰落ち-1/2捻り膝落ち-腰落ち-立つ(2)

 今回は「腰落ち-1/2捻り膝落ち」について説明します。「腰落ち-1/2捻り膝落ち」を練習するに当たっては、段階練習3の「腰落ち-立つ」、段階練習4の「膝落ち-立つ」、段階練習2の「1/2捻り跳び」が習得済みでなければなりません。

 この種目は軸系列ではまず、「ひねり系」になります。また腰落ちの姿勢から脚部を上体の下に戻していますので、「前方回転系」の運動をしています。捻りのきっかけはこの戻しの動作から行いますので、そこからさらに膝を曲げるという「前方回転系」の動作が加わりますので、運動がかなり複雑なものになっています。

運動の難易度からすると、段階23の「腰落ち-1/2捻り立つ」より難しいものになっていますが、「腰落ち」と「膝落ち」の頭部の移動量が、「腰落ち」と「立つ」より少ないことから「腰落ち-1/2捻り膝落ち」よりも先行して練習するようになっているようです。

2014年

7月

11日

段階練習6.腰落ち-1/2捻り膝落ち-腰落ち-立つ(1)

 段階練習6は種目系列では「腰落ち系」で、その中で「スイブル系」となっています。

段階練習6では「腰落ち-1/2捻り膝落ち」、「膝落ち-腰落ち」の2つの種目と、その前後に、段階練習3で習得済みの「腰落ち」と「腰落ち」からの「立つ」が入っていますので、連続4種目となります。

連続4種目ですが、間の「1/2捻り膝落ち」を抜かして連続運動すると、段階練習24の「スイブル」になりますので、「スイブル系」になります。つまり段階練習24をする前には、段階練習6を習得しておく必要があります。

2014年

7月

04日

段階練習5.腰落ち-膝落ち-1/2捻り腰落ち-立つ(3)

 今回は、「腰落ち-1/2捻り膝落ち」についてです。「腰落ち-1/2捻り膝落ち」を練習するに当たっては、段階練習3の「腰落ち-立つ」、段階練習4の「膝落ち-立つ」、段階練習2の「1/2捻り跳び」が習得済みでなければなりません。

 この種目は「膝落ち」の姿勢から膝を伸ばして脚部を後方に伸ばす運動は、軸系列からいうと「前方回転系」になります。「膝落ち」からの前方回転は「腹落ち」になりますが、「腹落ち」は上半身が前方回転する種目となり、高度な種目となりますし、目線の移動量が大きく恐怖感も大きいです。そこで、1/2捻りを付け加えることで上半身の回転を押さえることで、安全に行えるように、早い段階で練習するようにしています。つまりこの種目は将来段段階練習20の「膝落ち-腹落ち」へと結びつく運動です。

2014年

6月

27日

段階練習5.腰落ち-膝落ち-1/2捻り腰落ち-立つ(2)

 今回は、「腰落ち-膝落ち」を説明します。この種目を練習するにあたっては、段階練習3の「腰落ち-立つ」、段階練習4の「膝落ち」が習得済みでなければなりません。

 この種目は、軸系列からいうと上半身は回転しませんが、脚部は前方から後方に回転しますので、「前方回転系」になります。この運動は「腰落ち」からの「立つ」にさらに90度の回転を加えた種目となります。つまり脚部が180度回転します。この運動に上半身の前方90度回転を加えると段階練習19の「腰落ち-腹落ち」になりますので、段階練習19のベースとなります。

2014年

6月

20日

段階練習5.腰落ち-膝落ち-1/2捻り腰落ち-立つ(1)

 段階練習5は種目系列では「腰落ち系」で、「スイブル系」と「1回捻り腰落ち系」両方の系列となっています。

段階練習5では「腰落ち-膝落ち」、「膝落ち-1/2捻り腰落ち」の2つの種目と、その前後に、段階練習3で習得済みの「腰落ち」と「腰落ち」からの「立つ」が入っていますので、連続4種目となります。

連続4種目ですが、間の「膝落ち」を抜かして連続運動すると、段階練習24の「スイブル」になりますので、「スイブル系」になります。またひねった後に腰落ちをする運動は段階練習30の「1回捻り腰落ち」の基本となりますので、「1回捻り腰落ち」系にもなっています。つまり段階練習24と30を行う前には必ず習得しておく必要がある種目です。

2014年

6月

13日

段階練習4.膝落ち(ニードロップ)-立つ

 段階練習4は「膝落ち(ニードロップ)」と「立つ(スタンド)」の2種類の種目から構成されています。

「膝落ち」も「腰落ち」同様、上半身が動かない(回転しない)ため、トランポリンの競技ルール上、無回転系として扱われますが、膝から下が後方に90度回転する、つまり軸系列では「前方回転系」に分類される種目です。種目系列では「垂直跳び」に分類されています。

 上半身が無回転のため、フィートバウンス(立った状態での跳躍、垂直跳び)の代用として、新しい種目の導入に使用される種目でもあります。つまり初期においてこの種目ができなければ、できない種目は非常に多くあります。また、「腰落ち」同様上半身、つまり頭部は動かしませんので、他の種目より早い段階で行います。

 なお、下腿(膝から下)の長さの分「腰落ち」より「膝落ち」の方が少ないので、落下量を考えると安全性は「膝落ち」の方が一見高くみえるのですが、「膝落ち」では膝から下、つまり膝と足首による姿勢の調節ができず、前後のバランスをとれるのは可動域の少ない腰しかなく、腰を痛める危険性が高く、安定性が悪いので、「膝落ち」は「腰落ち」より後にきています。

 最後に、「膝落ち」から「立つ」は軸系列で「後方回転系」になります。

2014年

6月

06日

3種類の段階練習法

 現在トランポリンの指導法としては、社会人のレクレーショントランポリン向けの段階練習(普及版)、こどもの素養作りのためのバッジテスト段階練習、競技者育成(こどものレクレーショントランポリンを含む)のための競技検定段階練習の3つがあります。

このうち、競技検定段階練習は他の2つと異なり、競技者として最低限実施できなければならない種目がピックアップされています。対象はトランポリン競技選手を目指すものすなわちそれなりの運動能力を持ち合わせたものを対象にしています。だから、段階練習の数が少なくなっています。しかし最低限必要なものをピックアップしたものなので、当然生徒の能力に応じて、細かい段階練習が必要です。

これに対して他の2つの段階練習は、だいたいこの通りの段階練習をすれば安全にトランポリンを使うことができるようになっているものです。だいたいというのはそれぞれのレベルで実際はもっと細かい段階練習をする必要があるからです。

段階練習はバッジテストの方が同じレベルまでの段階が多くなっていますが、こども向けのバッジテストは連続運動が中心の段階練習になっていますので、そのため段階が多くなっています。実際は成人向けの段階練習のほうがより細かい段階練習をするようになっています。これは、バッジテストが運動能力の発育が著しい幼少期の子供を対象としており、これに対して社会人向けの段階練習の対象は運動経験のない人を想定していることによります。

 バッジテストの普及に対して社会人のレクレーショントランポリンの普及は進んでいませんので、もっと使われている段階練習はバッジテスト用のものです。このため社会人に対してもこの段階練習が用いられていることがよくあります。

しかしこの段階練習は社会人向けではなく、社会人向けの段階練習では腰落ちや膝落ちより後に練習することになっている「抱え跳び」がそれらに先行して3番目に練習するようになっているように順番も異なっています。そして何より連続練習を中心にしているため、社会人向けよりも粗い段階練習になっています。つまりバッジテストの段階練習を社会人に適用するのは、問題があります。社会人に対しては社会人向けの段階練習(普及版)を用いることが必要です。

2014年

5月

30日

段階練習3.腰落ち(シートドロップ)-立つ(スタンド)

 段階練習3は「腰落ち(シートドロップ)」と「立つ(スタンド)」の2種類の種目から構成されています。

「腰落ち」は、上半身はほとんど動かない(回転しない)ため、トランポリン競技のルール上、無回転として扱われていますが、下半身が前方に90度回転する、つまり軸系列では「後方回転系」に分類される種目です。種目系列では「腰落ち」に分類され、小分類の「スイブル系」、「1回捻り腰落ち系」など「腰落ち系」のベースとなる種目です。また、「垂直跳び系」には分類されていませんが、上半身が無回転のため、フィートバウンス(立った状態での跳躍、垂直跳び)の代用として、新しい種目の導入に使用される種目でもあります。つまりこの種目ができなければ、できない種目は非常に多くあります。また、上半身、つまり頭部は動かしませんので、他の種目より早い段階で行います。

 なお、落ちることに目がいきがちですが、実際は「立つ」方が難しく、うまく立てなければ次の種目を続けることはできませんので、きれいに立てることは非常に重要です。

 最後に、「腰落ち」からの「立つ」は軸系列では、「腰落ち」の逆、つまり「前方回転系」になります。

2014年

5月

23日

段階練習2.1/2捻り跳び(ハーフピルエット)

 段階練習2、1/2捻り跳び(ハーフピルエット)の種目系列は「垂直跳び」、軸系列は「ひねり系」です。1/2捻り跳びは体軸回りの回転運動の基本となります。

 「ひねり系」の種目は、前方・後方回転系の種目に比べて簡単な種目ですが、日本体育大学傷害調査等によると、前方・後方回転系種目よりも怪我の発生が多い運動ですので、その基礎である1/2捻り跳びは大事な種目となります。

 すべての「ひねり系」種目の基礎ですので、段階練習2をとばして他の捻り種目を行うことはできません。

2014年

5月

09日

段階練習1.垂直跳び(ストレートジャンプ)-チェック(停止)

 段階練習1は2種類の種目です。1つは垂直跳び(ストレートジャンプ)、もう1つがチェックバウンス(停止、ニーブレイクともいう)です。

 この2つはトランポリンの基本中の基本です。まっすぐ上昇し、まっすぐ落下する垂直跳び、まっすぐ落下し跳躍を停止するチェック、この2つができなければ他の技をすることはできませんし、危険を回避するために停止することもできません。

 どんなに上達しても、練習の最初には必ず行わなければならない練習です。すべての種目の基本ですのでこの段階をとばして先に進むことはできません。

 なお、垂直跳びは種目系列は「垂直跳び」、軸系列は「共通系(無回転系)」になります。