「保育と幼児期の運動遊び」

 岩崎洋子編集、吉田伊津美、朴淳香、鈴木康弘著「保育と幼児期の運動遊び」では、スキャモンの発達・発育曲線を引用して、体型に関係している一般型は「幼児期に急激に発育するが、その後ゆっくりとなり、12歳以降に再び発育のスピードを速める」、「神経型は発育が早い時期から進み、6歳までに成人の90%に達する」としています。そして、「身体の各器官の中では、神経型が幼児期の運動に深く関係しており、運動を上手に行ったり、調整したりすることは神経型の器官の発育が基盤となっている。神経型の発育が6歳で成人の90%程度に達するために、幼児期ですでに大人と同じようなレパートリーの80数種類という多様な動きを獲得できる」としてます。

運動機能の獲得段階として

1)基礎的運動の技能の獲得段階(乳児期)

乳児期に反射運動から、随意運動に切り替わり、寝返りによる姿勢変化、はいはい・歩行といった移動運動、興味のあるものへ手を伸ばし、引き寄せるなど把握運動・操作的な運動が芽生える。これらが基礎的な運動機能を獲得する段階としています。

2)基本運動技能獲得段階(2歳~6歳)

2歳頃から基礎的な運動機能を基盤として、人間の生活に見られる運動の基本が未熟な段階のものからスムーズに動ける段階のものへと出現し、6歳までには成人が日常生活で使う動き(基本運動技能)のほとんどを獲得する。

3)スポーツ・仕事・日常生活・表現にふさわしい運動技能獲得期(7歳以降)

 「基礎的な運動技能」を基盤として「基本運動機能」があり、その積み重ねの上にスポーツ・ゲーム的活動の機能、日常生活・仕事の機能、表現の機能があり、これらの運動の獲得は7歳以降にみられる。

上記の段階中、「基本運動技能の獲得段階で、幅広く十分内運動経験が可能な環境を整えることが必要である」としています