連続運動と組み合わせ運動

 バッジテスト5級で不合格する部分として、中間部分で腰落ちから「立つ-1/2捻り跳び」を「1/2捻り立つ」、「1/2捻り跳び-抱え跳び」を「抱えながら1/2捻り跳び」、「抱え跳び-腰落ち」を「抱えながら腰落ち」にするなど、2種目の連続運動を1つの組み合わせ運動にしてしまうということがあげられます。

 バッジテストもそうですが、シャトルゲームでもこれらを間違えて行えば失敗となります。連続運動と組み合わせ運動の違いが近いできない子供は運動嫌いの子供だけではなく、運動は好きだという子供にも多くいます。この2つの違いを理解する能力は小学校に上がる前に身につけたい能力です。なぜならほとんどの4歳児はこの違いを理解するのは難しく、年齢とともに理解できるようになります。しかし、小学校に上がる前後でこの違いが理解できない子供は高学年になっても同じ失敗を繰り返します。

 たとえば「1/2捻り跳び-腰落ち」より「1/2捻り腰落ち」の方が高度な運動です。つまり組み合わせ運動の方がより難しい動作であり、それができるようになる方が、よいのですが、連続運動と組み合わせ運動の違いが理解できないと将来複雑な運動に発展させることは難しいと思います。

 たとえばテニスにボレーという技術があります。これはボールを打つのではなくラケットにあてて跳ね返す運動です。安定したボレーを打つ瞬間は打点に視線を残すことが重要と言われています。ボールから視線をはずさないで打つことが正確にラケットにあてるのに必要だからです。しかしテニスでは打ったボールを相手が打ち返しますので、ボールを打った後はボールの行方を見て相手の動きを見なければなりません。ボールを当てるまでと、打った後では視線の位置が変わります。つまり連続運動をしなければならないのです。これを初心者はボレーする前に自分が打とうとしている方向をみてしまい、しばしばボレーを失敗します。これは連続運動を組み合わせ運動にしてしまう失敗といえます。つまり連続運動を組み合わせ運動にしてしまうと失敗してしまいます。連続運動をするのか組み合わせ運動をするのかを区別するのは非常に重要な技術となります。

 トランポリンは10種目連続で行うスポーツで、連続運動を組み合わせ運動にしてしまうと失敗となります。つまり他のスポーツより連続運動と組み合わせ運動の区別が明確に行われる運動です。幼少時に連続運動と組み合わせ運動の区別をつけるトレーニングを行うことは将来非常に役立つトレーニングであります。